「私はどんな成果を出せる人間か」を語れるかが勝負

転職市場において、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士(PT・OT・ST)は専門性の高い国家資格職である。

しかし、近年はリハビリ専門職の数が増え、単に「資格がある」「臨床経験がある」だけでは差別化が難しくなっている。

だからこそ、転職時には「リハビリ職種にしかできない仕事」ではなく、「自分にしかできない仕事」を明確に打ち出すことが重要である。

多くのセラピストが「評価ができます」「治療経験があります」「疾患別リハビリに対応できます」といった共通項をアピールする。

しかし、採用側は、そのようなスキルを持った人材をすでに多く抱えている。

そこで必要なのは、「その職場にどんな価値をもたらせるか」を語ることである。

たとえば、「退院後の生活支援に強い」「チーム間の連携を仕組み化できる」「新人教育やマネジメントに実績がある」など、自分の臨床や経験を通して生み出した「再現性のある強み」を具体的に伝えるべきである。

また、リハビリ職は「身体機能の改善」だけでなく、「生活再建」「社会参加」「自己実現の支援」といった、より広い意味での「人の可能性を引き出す専門家」である。

この視点を持つことで、「医師や看護師、介護職では代替できない価値」を打ち出すことができる。

つまり、自分の専門性を「組織や利用者の成果」につなげて語ることが最大のアピールポイントになる。

動画では、「他職種との差別化ではなく、自分の経験と強みをいかに社会に還元できるかを語るべき」という視点から解説している。

単なるスキルの羅列ではなく、自分の言葉で「リハビリを通じて何を成し遂げたいのか」を語ること。

それこそが、採用者の心を動かす最大のプレゼンテーションである。

キャリアデザインを学びたい方はこちらから

筆者
高木綾一

理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
三学会合同呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
国家資格キャリアコンサルタント
株式会社Work Shift代表取締役
関西医療大学 保健医療学部 客員准教授

医療・介護分野の経営戦略や人材育成に精通し、年間100回以上の講演を実施。
医療機関や介護事業所の経営支援を通じて、組織の成長と発展をサポートする。
著書には 「リハビリ職種のキャリア・デザイン」「リハビリ職種のマネジメント」 があり、リハビリ職種のキャリア形成やマネジメントの実践的な知識を提供している。
経営相談・セミナー依頼はお気軽にお問い合わせください。

関連記事