トレーニングの原理・原則

筋力低下は、加齢とともに万人に起こるものであることは周知の事実である。

それに加え、身体活動量の低下や栄養不足(低栄養)などが重複するとさらに筋力は低下する。

また、何らかの病気(急性・慢性ともに)を発症したり、はたまた入院などすると筋力はいっそう低下する。

我々は、そういった状態の方々を評価させていただき、基本動作能力の低下やADL低下が起こっている問題点が筋力低下であると分かれば、筋力維持・増強練習を用いてその問題を解決していく必要がある。

すなわち、筋力維持・増強練習をするにあたっては、筋力トレーニングにおける『トレーニングの原理・原則』について、周知しておくことが大前提であると思われる。

以下、トレーニングの3大原理および5大原則を記す。

トレーニングの3大原理

1.過負荷の原理:トレーニング効果を得るためには、現段階の能力以上の負荷(強度、頻度、持続時間など)が必要である
2.特異性の原理:トレーニングの種類や部位、動作に一致した効果が出現する。収縮様式・負荷様式・動作様式などを考慮する必要がある
3.可逆性の原理:トレーニングを中止すると、得られたトレーニング効果は低下あるいは消失する(3ヵ月休止すると半減、6ヵ月休止すると消失する)

トレーニングの5大原則

1.全面性の原則:全身をバランス良く、すべての体力要素を総合的に高める
2.漸進性の原則:強度は低強度→高強度、難易度は低い→高いなど徐々に増やしていく
3.意識性の原則:トレーニングする方にその理論・目的・方法・効果を意識させる
4.反復(継続)性の原則:定期的な頻度でトレーニングを繰り返し継続する
5.個別性の原則:各個人の特性に合わせ、適した内容を処方する(特にフレイル高齢者)

以上のようなトレーニングの原理・原則を知っておくことで、効果的かつ効率的な筋力維持・増強練習の介入や指導が可能となる。そして、こういった知識を持ちまずは自分自身がトレーニングを実践することで、説得力のあるセラピストになっていくと思われる。

投稿者
井上拓也


・理学療法士
・認定理学療法士(循環)
・3学会合同呼吸療法認定士
・心臓リハビリテーション指導
・サルコペニア・フレイル指導士

理学療法士免許を取得後、総合病院にて運動器疾患や中枢神経疾患、訪問リハビリテーション等に関わってきました。すべての患者さんのために、障害された機能の改善やADLの向上に励んできました。特に運動器疾患においては、痛みの改善や関節可動域の改善、筋力向上を目的とした理学療法にて、患者さんのADLの向上を図ってきました。

今までの経験を活かして、皆様のお役に立てるように励んで参ります。

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