在宅療養の拡大に伴い、医療依存度や介護度の高い人を自宅で支える場面が増え、訪問介護における身体介護の重要性も高まっています。
身体介護とは、利用者の身体に直接触れて行う介助だけではありません。
利用者のADLや意欲の向上を目的に、本人と一緒に行う自立支援や、専門的な知識・技術を用いて日常生活・社会生活を支える援助も含まれます。
現場で重要なのが、介護職が実施できる行為と、医行為との線引きです。
医師・看護師等の資格を持たない介護職は、原則として医行為を業として行えません。
ただし、厚生労働省は、一定の条件下で「原則として医行為ではない」と考えられる行為を通知で示しています。(厚生労働省)
代表例は、体温測定、自動血圧計による血圧測定、一定条件下でのパルスオキシメータ装着、軽微な傷の処置、褥瘡処置を除く軟膏塗布、湿布の貼付、点眼、処方・一包化された内服薬の服薬介助、坐薬の挿入、鼻腔への薬剤噴霧の介助などです。

ただし、これらも無条件に実施できるわけではありません。
利用者の病状が安定していること、医師・看護職との連携、本人・家族との合意、手順の確認、異常時の連絡体制が必要です。
病状が不安定で専門的管理を要する場合は、同じ行為でも医行為と判断される可能性があります。
また、介護福祉士や所定の研修を修了した介護職員は、事業者の登録や医師・看護職との連携などの条件を満たせば、喀痰吸引や経管栄養を実施できます。
第1号・第2号研修は、不特定多数の利用者を対象とする研修です。
第1号は規定されたすべての行為、第2号はその一部を対象とします。
第3号研修は、重度障害者など特定の利用者に対し、特定の介護職員が行う場合の研修です。
重要なのは、行為名だけで可否を判断せず、利用者の状態、指示、研修修了、事業所の登録、連携体制を個別に確認することです。
安全確保の責任は介護職個人だけでなく、事業所全体の教育・手順整備・記録管理にもあります。
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高木綾一

理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
三学会合同呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
国家資格キャリアコンサルタント
株式会社Work Shift代表取締役
関西医療大学 保健医療学部 客員准教授
医療・介護分野の経営戦略や人材育成に精通し、年間100回以上の講演を実施。
医療機関や介護事業所の経営支援を通じて、組織の成長と発展をサポートする。
著書には 「リハビリ職種のキャリア・デザイン」 や 「リハビリ職種のマネジメント」 があり、リハビリ職種のキャリア形成やマネジメントの実践的な知識を提供している。
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