新型コロナウイルスによるテレワークの普及と、AIなどのテクノロジーの進展により、社会構造や働き方は大きく変化している。
テレワークとは何か。
テレワークとは、情報通信技術を活用し、時間や場所の制約を受けずに働く形態である。
「tele=離れた場所」と「work=働く」を合わせた造語で、日本では在宅勤務やリモートワークとも呼ばれる。
テレワークでは、直接顔を合わせる機会が減るため、表情、態度、気配り、雑談などを通じたアナログなコミュニケーションが乏しくなる。
一方、メール、チャット、オンライン会議など、デジタル情報によるやり取りが中心となる。
同じ職場で働いていれば、人当たりの良さ、優しさ、協調性などの情意面を感じることができる。
しかし、テレワークではその情報が伝わりにくく、進捗、納期、作成物、数値など、可視化された成果が評価の中心になりやすい。
つまり、働く姿が見えない環境では、「頑張っているか」よりも「何を生み出したか」が問われるのである。
さらに、生成AIの活用が広がっている。
文章作成、要約、翻訳、資料作成、画像生成、データ分析など、人間が時間をかけていた知的作業の一部をAIが支援するようになった。
今後は、AIを使うだけでなく、出力を検証し、業務改善につなげる能力が求められる。
身近な事例として、生成AIを活用した文章作成や情報整理がある。
これまで人間が時間をかけて作成していた議事録、報告書、案内文、プレゼンテーション資料なども、生成AIを活用することで短時間にたたき台を作成できるようになった。
テクノロジーが発展すれば、人間は単純作業から解放される。
しかし、その反面、課題発見力、専門知識、判断力、創造性など、機械では代替しにくい能力の向上が不可欠となる。

オンライン化や在宅勤務が進む社会では、高度なスキルが求められるだけでなく、仕事の過程より成果で評価される傾向も強まる。
適応できる人には自由度の高い働き方となるが、学び直しや自己管理が苦手な人には、不安や孤立感が強いストレスとなる可能性がある。
医療・介護分野でも、オンライン会議、記録の自動化、生成AIによる文書作成支援などは業務効率化に有効である。
しかし、患者・利用者の微細な変化を捉える観察、信頼関係の形成、倫理的判断まで機械に委ねることはできない。
在宅勤務やAI活用を無条件に良いものと捉えるのではなく、効率化で生まれた時間を何に使い、人間にしかできない価値をどう高めるのかを考える必要がある。
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筆者
高木綾一

理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
三学会合同呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
国家資格キャリアコンサルタント
株式会社Work Shift代表取締役
関西医療大学 保健医療学部 客員准教授
医療・介護分野の経営戦略や人材育成に精通し、年間100回以上の講演を実施。
医療機関や介護事業所の経営支援を通じて、組織の成長と発展をサポートする。
著書には 「リハビリ職種のキャリア・デザイン」 や 「リハビリ職種のマネジメント」 があり、リハビリ職種のキャリア形成やマネジメントの実践的な知識を提供している。
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