フレイルは、2014年に日本老年医学会から提唱された概念であり、最近は一般的にも徐々に浸透してきているように感じる。
筆者の在住している堺市では、数カ月前にその広報誌において、比較的詳しくフレイルについて記載されていたほどである。
さて、そのフレイルとは、「高齢期に生理的予備能力が低下することで、ストレスに対する脆弱性が亢進し、生活機能障害、要介護状態、死亡などの転帰に陥りやすい状態」とされている。
ここでいう生理的予備能力とは、
①身体組成の変化(筋肉量の減少・脂肪量の増加・骨密度の低下)
②エネルギー産生/消費の不均衡(活動量の低下・食事摂取量の低下)
③恒常性の調節異常(ホルモンの変化・サイトカインの増加)
④神経変性(神経細胞の減少)
等のことをいう。

これら①~④の身体変化により、フレイルが惹起され、歩行障害、転倒、褥瘡、せん妄、認知機能低下、食欲不振、栄養失調、睡眠障害、尿失禁等、様々な障害を呈してくるのである。
フレイルについて重要なポイントは、フレイルという状態が要介護状態に至る前段階として位置づけられている点である。
イメージとしては、
「健康 ⇔ フレイル ⇒ 要介護状態」
ということになる。
ここで注目すべきは、「健康」と「フレイル」の間の矢印が、双方向性であるところである。
つまり、フレイルという状態は、「可逆性である」ということを表している。
したがって、例えフレイルに陥ったとしても、しっかりとした管理や予防的介入により、健康状態に戻ることができるのである。
リハビリ職種は、まずフレイルという概念を正しく理解する必要がある。
超高齢社会を迎える日本において、フレイル状態にある高齢者は今後さらに増加すると考えられる。
そのため、リハビリ職種には、単に機能訓練を行うだけでなく、筋力、活動量、栄養状態、認知機能、生活環境などを総合的に評価し、要介護状態への進行を予防する視点が求められるのである。
投稿者

・理学療法士
・認定理学療法士(循環)
・3学会合同呼吸療法認定士
・心臓リハビリテーション指導
理学療法士免許を取得後、総合病院にて運動器疾患や中枢神経疾患、訪問リハビリテーション等に関わってきました。すべての患者さんのために、障害された機能の改善やADLの向上に励んできました。特に運動器疾患においては、痛みの改善や関節可動域の改善、筋力向上を目的とした理学療法にて、患者さんのADLの向上を図ってきました。
今までの経験を活かして、皆様のお役に立てるように励んで参ります。

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