あなたのリハビリテーション部門は下請部門か?横請部門か?

筆者がリハビリテーション部門のコンサルティングやセミナーを行っていると、管理者から次のような悩みを聞くことが多い。

「18単位を取ることで精一杯で、リハビリテーション科が疲弊している」
「病院の中でリハビリテーション科の立場が低い」
「医師や看護師との連携がうまくいかない」

このような部門では、セラピストの疲労感が強く、リハビリテーション医療に対するモチベーションも低下していることが少なくない。背景には、部門の役割が「指示された業務をこなすこと」に偏っている現実がある。

上層部から指示されたことだけを実践する状態を、筆者は「下請」と呼んでいる。下請部門は、上層部の方針や収益目標に従い、ひたすら決められた業務を遂行する。ノルマの単位数をこなす、加算算定のために動く、収益確保を最優先に行動する。これらは下請部門にみられる典型的な姿である。

もちろん、収益や制度対応は病院経営において重要である。しかし、それだけに終始すれば、リハビリテーション科は組織の中で「便利に使われる部門」になってしまう。セラピストも、自分たちの専門性が何のために活かされているのかを見失いやすい。

一方で、他部門から「問題解決」を依頼され、リハビリテーション部門が専門性を活かして支援する状態もある。これを筆者は「横請」と呼んでいる。

横請部門は、医師や看護師、介護職、相談員などが困っている課題に対して、リハビリテーション専門職の視点から解決を支援する。たとえば、退院支援、ADL低下予防、転倒対策、在宅復帰、家族指導などに主体的に関わる。その結果、他部門との信頼関係が生まれ、リハビリテーション科の存在価値も高まる。

リハビリテーション部門の管理者には、ぜひ横請部門を目指してほしい。そのためには、収益だけではなく、組織内の課題解決にどれだけ貢献できるかに目を向ける必要がある。自分たちの専門性で、どの部門のどんな困りごとを解決できるのか。その問いを持つことが、疲弊した部門を変える第一歩である。

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執筆者
高木 綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
呼吸療法認定士
修士(学術/MA・経営管理学/MBA)
関西医療大学保健医療学部 客員准教授

医療・介護分野の現場経験とマネジメントの専門性を活かし、リハビリテーション部門や多職種連携に関するコンサルティングを全国で展開している。
在宅領域および整形外科リハビリテーションの臨床に長年取り組み、現場の実態を踏まえた実践的な視点を強みとする。
医療機関や介護事業所の立ち上げ支援、教育体制の構築、組織マネジメント支援など、実践的かつ現場に根ざした支援を得意とする。
また、コンサルティング先に加え、リハビリ職種養成校等でも臨床からマネジメントまで幅広く講義を行い、現場で再現できる形に落とし込んだ知見の提供に力を入れている。
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