家から通える範囲で探しています。
給料が少しでも良いところを探しています。
大きな医療法人を希望しています。
両親が「○○病院に就職しろ」と言います。
これらは、新人セラピストが就職先を選択する理由として、実際によく見られるものである。
しかし、新人セラピストにとって最初の三年間は、極めて大きな意味を持つ。
最初の三年間は、臨床現場で様々な課題にぶつかる時期であり、実践を通じて専門職としての知識や技術を深めていく重要な期間である。
そして、何よりも、
リハビリテーションとは何か。
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士とは何か。
ということを、肌で感じながら学んでいく時期である。
このような大切な時期を漫然と過ごしてしまうと、後になって取り返しのつかない差になるかもしれない。
尊敬できる先輩セラピストがいない。
評価から治療の展開を体系的に学ぶ機会がない。
リハビリテーションに関する倫理観が低い。
売上優先で、ロボットのように働く。
人間関係が悪く、利用者中心で物事が進まない。
このような医療機関や介護事業所に就職すると、本来もっともリハビリテーションの本質を学ばなければならない時期を、無駄に過ごしてしまう可能性がある。

新人時代に身についた価値観、臨床思考、患者・利用者への向き合い方は、その後のセラピスト人生に大きな影響を与える。
だからこそ、就職先は「条件」だけでなく、「どのような専門職に育つことができる環境か」という視点で選ぶ必要がある。
時間は有限である。
失った時間は戻ってこない。
ライバルとなる新人セラピストたちは、目先の利益だけでなく、将来の利益を見据えて就職先を選択しているかもしれない。
セラピストとしての競争は、学生時代からすでに始まっている。
そのことを自覚しなければならない。
これは既卒セラピストにも同じことが言える。
転職においても、目先の給料や通勤距離だけで判断するのではなく、自分の専門性を高められる環境かどうかを冷静に見極める必要がある。
目先の利益に飛びつくと、後になってとんでもないしっぺ返しに遭うことになるだろう。
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筆者
高木綾一

理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
三学会合同呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
国家資格キャリアコンサルタント
株式会社Work Shift代表取締役
関西医療大学 保健医療学部 客員准教授
医療・介護分野の経営戦略や人材育成に精通し、年間100回以上の講演を実施。
医療機関や介護事業所の経営支援を通じて、組織の成長と発展をサポートする。
著書には 「リハビリ職種のキャリア・デザイン」 や 「リハビリ職種のマネジメント」 があり、リハビリ職種のキャリア形成やマネジメントの実践的な知識を提供している。
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