実習生や後輩には過剰に厳しい態度を示す一方で、同僚や先輩、あるいは医師や看護師との建設的な議論からは逃げてしまうPT・OT・STが少なくない。
彼らは学生や若手に対しては上から目線で知識を披露するものの、同等の専門性を持つ相手や異なる領域の専門家を前にすると急に発言できなくなる。
このような振る舞いの背景には、否定されることや自らが傷つくことへの恐れが潜んでいる。
しかし同時に、「自分は職人である」と強調することで劣等感を覆い隠そうとする心理も働いている。
結果として、自己陶酔的に自分の技術に浸り、周囲の成長や組織の発展には寄与しない存在となってしまう。
組織は理念を実現するために、構成員が力を持ち寄り協働することで成り立つ。
学生や後輩に威圧的に振る舞うだけでは、何の革新も生まれない。
真に必要とされるのは、対等に意見を交わし、異なる立場や専門性を尊重しながら議論できる人材である。
PT・OT・STが価値を高めていくためには、議論を避ける人間を減らし、協働によって進化できる人材を育てることが不可欠である。
それは業界の未来を切り拓くための重要な使命であると言える。
筆者
高木綾一

理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
三学会合同呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
国家資格キャリアコンサルタント
株式会社Work Shift代表取締役
関西医療大学 保健医療学部 客員准教授
医療・介護分野の経営戦略や人材育成に精通し、年間100回以上の講演を実施。
医療機関や介護事業所の経営支援を通じて、組織の成長と発展をサポートする。
著書には 「リハビリ職種のキャリア・デザイン」 や 「リハビリ職種のマネジメント」 があり、リハビリ職種のキャリア形成やマネジメントの実践的な知識を提供している。
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