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日本はゾンビおじさんたちに占拠されている【これでいいの20代?】

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私の本当の名前は鈴木綾ではない。

かっこいいペンネームを考えようと思ったけど、ごく普通のありふれた名前にした。

22歳の上京、シェアハウス暮らし、彼氏との関係、働く女性の話、この連載小説で紹介する話はすべて実話に基づいている。

もしかしたら、あなたも同じような経験を目の当たりにしたかもしれない。

ありふれた女の子の、ちょっと変わった人生経験を書いてみた。

◇◇◇

日本はゾンビたちに占拠されている。

地下鉄はゾンビで溢れてる。金曜日の飲み屋街にもいっぱいいる。不祥事を頻繁に出してる日本企業の役員室もゾンビだらけ。ゾンビがいない場所はない。

だけどこのゾンビたち、元々は普通の日本人だった。そう。中年の日本人男性がゾンビに変身してるのだ。だから私はこの人たちを「ゾンビおじさんたち」と呼んでる。

東京で外資系PR会社に就職してから、中高年の偉い男性たち、つまりおじさんたちと仕事で接することが増えた。この偉いおじさんたちの下品で傲慢な態度に、私はいつも嫌悪感を感じていた。禿げてるしダサいスーツ着てるし威張っているし話はつまらないし、文句ばかりつけてアイデアがない。なのにへりくだって黙ってご高説を拝聴していないといけない。こんな人たちが力を握ってる日本ってやばくない?とずっと思ってた。

東京に住んでしばらく経って、態度の悪いのは偉いおじさんたちだけじゃないことに気づいた。週末にデパートに行くと、奥さんにぐずぐず文句言っているおじさんが必ずいた。電車に乗ると、ガラケーが鳴って(マナーモードにしないから)、ささやきになってないささやき声で「今電車だよ!」と言いながら電話に出て普通に5分間話すおじさんが必ずいた。

みんなは子供っぽくてわがままで、周りのことなんか全然気にせず生きている人たち。

そんなある日、とあるカンファレンスとその懇親会に参加することになった。広いホールで美しい女性たちがお寿司と高級ローストビーフを参加者に配っていたが、誰も食べ物を口にしなかった。料理になんか見向きもせず、みんなが偉い人達の周りに群がって挨拶して真剣な顔をして偉い人たちの話を聞いていた。

ようやくある偉いおじさんと話す番が私に回ってきたと思ったら横から髪の毛ボサボサのおじさんがいきなり割り込んできて名刺交換をお願いした。

そのボサボサおじさんはあっけにとられている私の存在を完全に無視して役員と喋り始めた。

偉いおじさんの話はそんなに面白くなさそうだったのにおじさんが黄色い歯を見せて大げさに笑ってた。ボサボサおじさんが何を喋ってたか私には理解できなかったし、そもそも日本語に聞こえなかった。

つまり、会話になっていなかった。

そのおじさんはスーツも歯も髪の毛も物腰態度も全部グロテスク。やばいやばいやばいなんでなんでなんでと思ってその瞬間にようやく答えが出た。彼はゾンビだ! そうだ! アンデッドだからああなっちゃうんだ! だからか! 思わず笑ってしまった。ようやくすべてが分かった。

それから仕事で偉いおじさんたちに会うのがとても楽になった。打ち合わせのときに笑いそうになるくらい平気になった。彼らはゾンビだから「綾ちゃんとデートに行きたい!」とかみんなの前で「綾ちゃんは独身だと聞いています!」みたいなセクハラ発言も平気で言う! 彼らはゾンビだから服がダサい! 彼らはゾンビだから高級なレストランで理由もなくウエイターに文句を言って雰囲気を悪くする! 彼らはゾンビだから粉飾決算して会社を倒産させる! で、自分は絶対に死なない!

でも、日本のおじさんたちはどうしてゾンビになったんだろう?

結論からいうと、彼らは成功したからだ、と私は思っている。

今のおじさんたちは年功序列と終身雇用が当たり前だった高度成長期に社会人になった。努力しなくても会社は大きくなる、経済は成長する時代だった。辛いことはなかったし、彼らにモノを言う人も周りにいなかった。その経験が彼らの頭を腐らせて死に切ってない人たちになったんだと思う。

未だに女性の管理職やリーダーの数が少ないから、ゾンビおじさんたちは今でも日本の政財界を仕切ってる。

もちろん心臓の鼓動がしっかりしてる中高齢の紳士たちもたくさんいるよ。自分の謙虚な心と穏やかな性格に救われてまだ元気に生命を失ってない、ちゃんと「生きている」人たち。私の友達の中に何人もいる。

しかし、全ての男性の中にゾンビになっちゃう可能性が眠ってる。成功してる30代弁護士とか起業家と話すとそれをしみじみ感じる。みんな自信満々で一方的にーそれも自分の話ばかりを話す。周りを、特に女性を人として見てない。別に私を口説いても構わないけど、私は彼らと絶対付き合わないし、まして結婚なんか間違っても絶対にしない。だって、10年後は死んでるもん。フランケンシュタインの花嫁は嫌だ。

このゾンビで溢れてる日本では、若者の私たちはうまくゾンビたちを利用しなければいけない。彼らを恐れちゃダメ。彼らは死んでるから言うことを聞かなくてもいい。どうせ彼らには私たちが言ってることは聞こえない。

私たちはひっそりと、でも確実にゾンビたちから社会の舵取りを取り戻し、自分たちの未来を決めなければならない。そうしないと日本全体がゾンビになってしまうから。

Source: ハフィントンポスト

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著者紹介 著者一覧

genki

genki

 小学校元教諭。6年間、教壇に立つが日々追われる実務、長引く会議、閉塞的な職場に、次第に心が疲弊していく。やがてブラックな職場で自殺願望すら生まれ、このままでは死ぬ前に後悔する人生になってしまうと思い退職を決意。小学校の先生を辞め、自力で稼ぐと決断する。
 そして、幸運な事にビジネスの権威と出会う機会に恵まれ、直接指導を受ける機会を得る。この決断がたった1つの奇跡的な出会いを引き寄せ、その後は師に教わったビジネスノウハウをひたすら実行し続け会社の発展に至る。
 会社設立から3年後、デンマークで最高峰の働き方が実施されている企業を現地視察。管理職、社員が共に幸せになれる8つのエッセンスを欧州より持ち帰り、自身の会社を通して日本中に広めようと奮闘中。
 埼玉県さいたま市出身。既婚。早く子供が欲しく妊活真っ最中の1983年5月生まれ。趣味は空手、柔術、ウクレレ、食べること、バターコーヒー。好きな言葉は下座達観。

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