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「料理は妻の方が得意」も「女性はマルチタスク」も思い込み? 坂井恵理さんが漫画を通して伝えたいメッセージ

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ラシク・インタビューvol.101

漫画家 坂井 恵理さん

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漫画家の坂井恵理さんは現在、「JOUR すてきな主婦たち 」(双葉社)にて『ひだまり保育園 おとな組』を連載中。

保育園に子どもを預ける夫婦間のちょっとしたモヤモヤや、男性保育士が自分の将来に抱く不安、

共働きから専業主婦になった女性の葛藤など保育園を軸に多種多様な人々の心模様をオムニバス形式で綴っています。

自身の妊娠、出産について描いたコミックエッセイ『妊娠17ヵ月! 40代で母になる!』(講談社刊)、男性が妊娠する世界を描いたコミック『ヒヤマケンタロウの妊娠』(講談社刊)など妊娠・出産・子育てに関する著書を手がけてきた坂井さんはご自身も保育園に通う息子さんを育てながら働くママ。

当事者として、保育園をテーマに描くこと、著作を通じて、伝えたいメッセージなど、お話を伺いました。

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どのエピソードの主人公にも少しずつ「自分」を重ねて、ストーリーを膨らませています

編集部:『ひだまり保育園 おとな組』、とても面白く読ませてもらってます。

育児ものの漫画って、子供の発言だったり、ドタバタした日常、みたいなものが多い中、1日のタイムラインを細かく言及していたり、かなりエピソードやセリフがリアリティ満載ですよね。

坂井さん自身も保育園にお子さんを預けている当事者の立場から作品にどのような距離を取りながら描いているんでしょうか。

坂井 恵理さん(以下、敬称略。坂井):どの話の主人公にも少しずつ「私」を入れてキャラクターを作っていますね。

保育園に職場体験に来る男子中学生にも「子どもがいなかった頃の、ちょっと子持ちに対して冷たかった自分」を重ねていたりして、まるっきり他者として描いている主人公はいないんです。

一方で、登場する「夫」のキャラクターには毎回迷うところで、夫婦の問題に対して理解がありすぎてもリアリティがないと思われるだろうし、妻が要求を伝えたらすねてケンカにもならないような人だとどこを落としどころにするのがバランスがいいのかって悩んでしまいますね。

エピソードとしては、あと30分で仕事が終わるのにお迎えに行かなきゃ…みたいな時間との争いは自分の経験もモチーフにしていますよ。

お迎えの時間を気にしたり、土日は休めるようにスケジュール調整したり、漫画家の仕事も会社勤めするワーママも意外と一緒?

編集部:子育てしながら漫画を描くのって締め切り前とかすごくハードそうなイメージですが実際はどうですか?

坂井:今は土日は極力仕事をしない前提でスケジュールを組んでいますが、原稿に入ってしまえば何日、何時間あれば完成するって読めるので、子どもが寝たあとで4ページだけペン入れしよう、みたいに作業することはあります。

一方、締め切り前よりネーム中、お話を作ってる時の方がイライラしちゃったり不安定になることがあるかな。

でもお話を作ってるときはとにかく寝ないと頭が回らないので、寝かしつけしたら子どもと一緒に寝るようにしてるんです。年齢を重ねて分かってきたけど、ちゃんと寝ないと後々響くからあんまり無理しても仕方ないなって。

子どもがいなかったり若かったりしたら徹夜も含めて10何時間とかぶっ続けで描き続けちゃうこともあると思うんですけど、それって決して体にいいわけじゃない。

逆に子供のお迎えとかがあることでちょっと歩いたり、強制的に手や目を休めることができるって考えるようにしてるし、悪いことばっかりじゃないんですよ。

同じ料理を三日間食べるでもいい。

料理に対する苦手意識は思い込みが大きいのかも?

編集部:ハードそうな漫画家さんのお仕事も子育てを経てメリハリがつかざるを得なくなるんですね。

妊娠出産子育てなど、共感を呼ぶ作品を生み出していますが、作品を通して伝えたいこういうのが理想だなと思う姿はありますか?

坂井:妻に指示されなくても動くレベルの男性が増えるってことですかね。

たとえば夫婦で家事を分担してます、っていう男性でも「料理は妻の方が得意だからお願いしてます」って人が結構いると思うんです。

でも家事の中で料理ってそんなに難しいものだろうか?って思うんですよね。個人的には風呂掃除よりは楽しみもあって楽じゃないかなって…。

料理に対する苦手意識って思い込みみたいなものもあるんじゃないかって思うんです。

たとえば私は冬場だったら具沢山の汁もの、シチュー、ポトフ、豚汁なんかを大量に作ってそれで三日間くらいしのいで…みたいなこともよくあるんです。それでも「料理」ですしね。

編集部:パーティで振舞うようなご馳走と、1日3食回すための食事って同じ「料理」と言っても違いますよね。

全部妻にやってもらってる男性は料理するっていうと、1日30品目取れるような食事を、毎日違うメニューで一か月…とかイメージしてるのかも。

坂井女性だって一人暮らしで全然料理も掃除もしないって人はいるし、家事の好き嫌いも男女関係なくあるんだから女性だから料理ができるとか家事が得意って思っちゃってると夫婦どっちにも不幸があるんじゃないかなって

料理なんて食べるのが好きな人の方が上達するんだし、我が家でいうと夫の方が料理好きですもん。

女性だって家事が完璧なわけじゃない。自分も失敗しそうなことは相手が失敗しても不満を溜めないようにしたい

​​​​​​​

編集部:逆にご馳走レベルの料理を作れる男性だって毎日作ってられないでしょうし、日々のことだとどんどん理想のレベルも下がっていきますよね。

坂井:ただ、うちも夫は1人で子供の面倒は全部見れるし、家事育児能力に不満はないんだけど無意識レベルで「育児=妻がメイン」って思われてるなって感じることはありますね。

休みの日に3人で電車に乗ると、夫はすぐ居眠りしますし。これは私が子どもを見てるっていう前提なのかな~って。

保育園の送迎をお願いするときも、園のここにこれがある、とかいつまで経っても覚えてくれないから図解で説明しないといけなかったり…。

よく『女性の方がマルチタスクに向いている』とか言うけど、男性が本当に仕事の場でシングルタスクを貫いていて許されることなんてあるのかな?って思うんですよ。

編集部:『ひだまり保育園 おとな組』に出てくる夫も、決して悪い人はいませんよね。

むしろ根の優しい人の方が多いんだけど、何かスッキリしないな…という。

坂井:現実も、悪い人じゃないけど妻がうっすら不満を溜めていく、みたいな夫婦の方が多いんじゃないかな。

女性だって家事が完璧にできているはずはないから、たとえば、「〇〇を買ってきて」って言われたけど忘れる…だとか、自分も同じような失敗をするかもしれないこと、そういうことでは夫に対する不満ポイントを溜めないようにはした方がいいかもしれない、私もそれは意識しています。

でも、親世代と比べて、何もしない男性は減っているって感じますよね。

だから「家事育児は女性がすべき」って思ってる男性はこれからどんどんモテなくなっていくんじゃないかな、なんて思ってます(笑)

あとは、国や企業側が意識を変えて、男性も育休や時短を取りやすくなれば、もっと早く子育てしやすい社会に変わっていくかもしれませんね。

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漫画家さんというと多忙で、昼夜逆転するような日々もあるのでは?と思いきや、坂井さんの生活は私たちと変わらない、いたって標準的な「ワーママ」という印象で、だからこそリアリティのある子育て漫画が描けるのかもしれないと感じました。

「描きたいことはたくさんあるからネタには困らなかった」と語る坂井さん、これからどんな作品が生まれていくのかが楽しみです。

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【坂井 恵理さんプロフィール】

4月27日生まれの牡牛座、A型。埼玉県出身。

代表作

『ビューティフルピープル・パーフェクトワールド』(小学館)

『ヒヤマケンタロウの妊娠』『鏡の前で会いましょう』(講談社)ほか。

現在「JOURすてきな主婦たち」(双葉社)にて、『ひだまり保育園 おとな組』を

好評連載中。

HP: twitter: @erisakai

ワーママを、楽しく。LAXIC

文・インタビュー:真貝友香

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Source: ハフィントンポスト

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著者紹介 著者一覧

genki

genki

 小学校元教諭。6年間、教壇に立つが日々追われる実務、長引く会議、閉塞的な職場に、次第に心が疲弊していく。やがてブラックな職場で自殺願望すら生まれ、このままでは死ぬ前に後悔する人生になってしまうと思い退職を決意。小学校の先生を辞め、自力で稼ぐと決断する。
 そして、幸運な事にビジネスの権威と出会う機会に恵まれ、直接指導を受ける機会を得る。この決断がたった1つの奇跡的な出会いを引き寄せ、その後は師に教わったビジネスノウハウをひたすら実行し続け会社の発展に至る。
 会社設立から3年後、デンマークで最高峰の働き方が実施されている企業を現地視察。管理職、社員が共に幸せになれる8つのエッセンスを欧州より持ち帰り、自身の会社を通して日本中に広めようと奮闘中。
 埼玉県さいたま市出身。既婚。早く子供が欲しく妊活真っ最中の1983年5月生まれ。趣味は空手、柔術、ウクレレ、食べること、バターコーヒー。好きな言葉は下座達観。

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