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膵臓がんと告知されたお母さんの日記(第19話:「死別と再婚」)

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不定期でブログを投稿させていただきます、西口洋平です。妻と小学生のこどもを持つ、一般的な38歳男性です。「ステージ4のがん」であることを除いては。

がんだと宣告されたときに、おぼえた孤独感。仲間がいない。家族のこと、仕事のこと、お金のこと……相談できる相手がいない。同じ境遇の人が周りにいない。ほんとにいなかった。

それなら自分で仲間を募るサービスをつくろうと、ネット上のピア(仲間)サポートサービス「キャンサーペアレンツ~こどもをもつがん患者でつながろう~」を、2016年4月に立ち上げました。

こどももいて、地元には親もいる。仕事やお金…… 心配は尽きません。 そんな僕みたいな働き盛り世代で、がんと闘う人たちをサポートしたい。そんな思いから、抗がん剤による治療、副作用と付き合いながら、仕事と並行して、地道に活動を続けています。

キャンサーペアレンツのFacebookページで活動情報をアップしていきますので、「いいね!」をお願いします。

取材記事:36歳の末期がん患者が、娘に残すために始めた「最後の仕事」

*****************

膵臓がんのナオさん。

2015年6月にがん告知を受け、手術や抗がん剤治療を経験。2016年に再発し、抗がん剤、放射線など様々な治療を行うものの、現在は無治療で生活。小学校一年生の息子さんと旦那さんの三人暮らし。

ナオさんがキャンサーペアレンツに登録したのは、2016年9月。

発信するのは苦手とのことで、キャンサーペアレンツに登録するまではブログや日記などを書いたこともなく。そんなナオさんの日記を、ご本人の了承のもと、これから一つずつご紹介をさせていただきます。

第1話「はじめまして」コチラから

第2話「思い出の屋上」コチラから

第3話「旅行の効果」コチラから

第4話「息子の運動会に、思うこと」コチラから

第5話「放射線治療(一旦)終了」コチラから

第6話「角膜提供の話」コチラから

第7話「医療用麻薬、開始」コチラから

第8話「医療用麻薬、開始 その2」コチラから

第9話「生かされている、私」コチラから

第10話「今年の目標はただひとつ」コチラから

第11話「食欲の出し方」コチラから

第12話「がんになって、生きてる意味がわかった」コチラから

第13話「死ぬときは前のめり」コチラから

第14話「副作用と、生きること」コチラから

第15話「決断、死ぬまで生きる」コチラから

第16話「感謝/息子とがんの母」コチラから

第17話「がんを笑った息子」コチラから

第18話「36歳の終活」コチラから

※キャンサーペアレンツは、子育て世代・就労世代のがん患者のコミュニティであり、様々な社会的な接点の中で生きています。こども、家族、仕事、地域、普段の生活、将来への不安。がん患者への偏見や誤解など、まだまだ「がんと生きる」ということに対する理解が乏しいというのが実態です。キャンサーペアレンツでは、ここに集う方々の意見を『声』として広く世の中に発信し、がんに対する理解を広げ、がんになっても生きていきやすい社会を実現すべく活動を行っています。

■投稿日

2017年7月16日(日)

■タイトル

死別と再婚

■本文

暑い。暑いです。

痩せてしまって、あまり食べられない、体力のない身にはきつい盆地の夏です。

ちゃんと、まだ、なんとか、生きています。

体調に波はあるものの、家のこともお買い物なんかも自分でできています。

しかし、最近までは痛みがあまりにひどく、家の中を移動することも厳しくなってきたので、一泊二日で入院し、『神経ブロック注射』をしてもらってきました。

結果、痛みが激減!!!(別の部分の痛みが気になるようにはなってしまいましたが)レスキューをほとんど使うことなく生活できるまでに復活!!!

え?私、がんやったっけ?と、末期がんであることを忘れてしまうくらいです。

もし腫瘍が神経に浸潤して痛みがある方は、神経ブロック注射を検討されてみてもいいかもしれません。

CTでも画像上は腫瘍はあまり大きくなっておらず、転移も見つかっていません。

抗がん剤の効果がまだ残っているのかもしれません。

腫瘍マーカーはすごく上がっているので、見るのをやめました。

『余命2〜3ヶ月』の、2ヶ月はクリア。

息子の夏休みは、元気でいたいです。

***

先日、息子とあるテレビ番組を観ていました。

香取慎吾さんと仲間たち(?)が、サプライズで結婚式を企画する、というシリーズ。

その日は、『旦那さんを癌で亡くしたママの感動の再婚』、という私たちが観るとなんともビミョーな気持ちになってしまいそうなそんな企画をやっていました。

父親に再婚を反対された女性の一言が、私にぐさっと突き刺さる。

「私達はずっとそのこと(癌で夫/父親を亡くしたこと)を背負っていかなくちゃいけないの?」

……そうやんなぁ。

私は死んでしまう。

だけど家族の人生は続く。

癌で家族を亡くした人が、ずっとそのことを「背負って」いく義務はない。

幸せを追求する権利が当然あるわけで、うちの夫だってまだ若いんだから、再婚する可能性は大いにある。

息子にあれを残そう、これを伝えよう、母親に愛されていたと実感できるようなものを残してあげよう。

私が良かれと思ってやっている日記や手紙も、もし夫が再婚し、新しいお母さんができたら、新しい家族にとっては、それは邪魔なだけのものかもしれない……?

息子に「もし、もしよ。お母さんが死んだら、新しいお母さん、欲しい?」

と、聞いてみる。バカです。

息子「うん、欲しい!」 即答

がーーーーーーーーーーーーーーーん。。。。。。。。。((((;゚Д゚)))))))

「え、ど、どんなお母さんがいいの?」

「優しくて、話を聞いてくれて、可愛いお母さん!」

ここで息子、私の異変に気付き、フォロー。

「いや、もちろん、僕のお母さんは”かあか”だけやで!でももし死んじゃって、父ちゃんとふたりになったら寂しいやん。誰かいた方が楽しいし、それだけ、それだけやで!」

新しい、お母さん。。。

情けないことに、想像しただけで涙がボロボロこぼれます。

私と夫で一生懸命作り上げてきたこの家庭は、私が死んだら一回崩壊する。

崩壊したあと、夫と息子がどう立て直すのかは、わからない。

二人でずっとやっていくのか、いつか新しいお母さんがやってくるのか。

いずれにせよ、そこに私はもういなくて、手出しも口出しもできない。

お腹を痛めて産み、大事に大事に育ててきた息子を「とられる」。

「とられる」という表現は適切ではないけど、今はそれしか思い浮かばない。

そうか。私は家族の中から消え去るんだ……。

このときほど、『死』を実感したことはなかったように思います。

死んでから『あの世』があって、家族を見たりできるのか、わかりません。

もしあったとして、再婚して新しい家庭となる我が家を見て、祝福できるのだろうか……

心が狭いとわかっていても、涙がこぼれるのを我慢できませんでした。

かと言って、夫にずっとひとりで頑張ってほしいわけじゃない。

息子のことを私と同じくらい大事にしてくれる女性が現れたら、そのときは再婚してほしいと素直に思う。

でも息子がその女性のことを「お母さん」として受け入れたら、私は一体何だったんだろう、とも思ってしまう。

死ぬって、そういうことなんだ。

当たり前だけど、存在しなくなることなんだ。

それって強烈に淋しい、悲しいことだなと思いました。

初めて思いました。

がんで亡くなられた奥様との別れ、そして再婚を経験されているサイバーさん(キャンサーペアレンツ会員の方のニックネーム)にその話をしてみると、

「亡くなった奥さんとの結婚生活が素晴らしいものだったから、もう一度結婚しようと思った。新しいママが必要だったからじゃない」

という答えでした。

そう言ってもらえたら、亡くなった奥様も嬉しいだろうなぁ。

私も夫にそう言ってもらえたら嬉しい。

でもやっぱり、子供については複雑な心境かもしれないなぁ……

サイバーさんもいっぱいいっぱい悩まれたことでしょう。

死別。そして再婚。

生きている者の、次のステップ。

死ぬことは、だんだん怖くなくなってきています。

けど、切ない、とか、悲しい、と思うことが増えてきました。

自分のいない世界。

きっとそれは、初めからなかったように、進んでいくのかもしれないと思います。

——

■「いいね!」の数:97

■「コメント」の数:34

(第20話へつづく)

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Source: ハフィントンポスト

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著者紹介 著者一覧

genki

genki

 小学校元教諭。6年間、教壇に立つが日々追われる実務、長引く会議、閉塞的な職場に、次第に心が疲弊していく。やがてブラックな職場で自殺願望すら生まれ、このままでは死ぬ前に後悔する人生になってしまうと思い退職を決意。小学校の先生を辞め、自力で稼ぐと決断する。
 そして、幸運な事にビジネスの権威と出会う機会に恵まれ、直接指導を受ける機会を得る。この決断がたった1つの奇跡的な出会いを引き寄せ、その後は師に教わったビジネスノウハウをひたすら実行し続け会社の発展に至る。
 会社設立から3年後、デンマークで最高峰の働き方が実施されている企業を現地視察。管理職、社員が共に幸せになれる8つのエッセンスを欧州より持ち帰り、自身の会社を通して日本中に広めようと奮闘中。
 埼玉県さいたま市出身。既婚。早く子供が欲しく妊活真っ最中の1983年5月生まれ。趣味は空手、柔術、ウクレレ、食べること、バターコーヒー。好きな言葉は下座達観。

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