1. TOP
  2. 未分類
  3. 歯科の枠にとらわれない歯学博士 吉野敏明

歯科の枠にとらわれない歯学博士 吉野敏明

未分類
この記事は約 4 分で読めます。 47 Views

室町末期から明治初期まで、日本には口中医(こうちゅうい)と呼ばれる、歯科と医科の垣根を越えた臨床医が存在した。入れ歯をつくる職人である香具師(やし)と異なり、彼ら口中医は医学の専門教育を受けホリスティック医療を実践していたそうだ。一方、現在の歯科業界では自由診療化および専門クリニック化が進み、治療領域が狭まる傾向にある、といわれている。医療費が一般会計の4割以上を占め保険診療が限界を迎える今、日本の医療や医療人はどうあるべきなのか、『現代の口中医』ともいうべき人物に、アメリカで医学教育を受けプライマリー・ヘルスケアに従事する筆者が、話を聞いた。

吉野敏明(よしの としあき)は歯周病専門医だが、その活動はクリニック内での治療だけにとどまらない。日々の治療やオペの現場に立つかたわら、未病治療を推進するため、講演や執筆活動、テレビ出演など、歯科医師の枠にとらわれず院外活動も精力的にこなす。また、歯科、内科、脳血管外来を含める総合クリニックを横浜と銀座に構える経営者でもある。

歯科医師だった父も鍼治療にも情熱を注いでいた。鍼灸漢方医の家系としては11代目。幼少期から東洋医学が周りにあった。自身も大学卒業時から鍼治療を始めたが、今から25年ほど前の当時は、患者から理解されない状況だった。父親の診療所以外で鍼治療をしていると「結構嫌がられた」という。

今では、東洋医学も社会に抵抗なくな受け入れられているが、かつては不遇の時代。科学で何でも解決できると考える風潮があった。吉野も自然と西洋医学に傾倒し、歯学部を卒業した後は、東京医科歯科大学で歯周病の研究に勤しんだ。

研究医となって、まず疑問に思ったのは、再生治療をするために動物実験をしてわざと歯周病を人工的につくり、一旦『壊す』という行為だった。犬とか猿などの歯の周りにワイヤーをかけてプラークをたまり溜まりやすくしたり、歯周病菌を塗布したりする。あるいは、わざと歯ぎしりの力が加わるように噛み合わせを高くして、実験的に歯周炎をつくってから、それを薬剤や手術などで治す。悪癖や病因がなくなれば歯周病にならないという結論を導くためだ。吉野は途中から「一体、何をやっているんだろう…」と思い始めた。

「わざわざ壊して治してどうするんだろうと疑問に思ったわけです。そこで、歯周病初期の段階において、健康な人の歯周病に関わる細菌検査をして治療をすればプロセスがシンプルになったり、重症な人を治せたりするのではないかと考えました。ところが、歯科業界はそれが受け入れられるような雰囲気ではなかったのです。東洋医学的な全人医療ではなく、”今、腫れているものを治せ”というわけです。原因を除去しようという空気ではありませんでした。」

そこで、吉野は従来の研究方法に見切りをつけた。

「それからの10年間は、歯周病の細菌検査のシステムを作って、原因除去して治療をすることをライフワークにしました。実際に、その手法を確立させ日本の治療のガイドラインに載せることもできました。

その後は、抗生物質の反応が個人によって違うので、免疫力をどう定量化するかというテーマに取り組みました。その次に、歯ぎしりなどに取り組んだら、東洋医学なアプローチをしないと解決しないことが分かり、すごく悩みました。歯ぎしりをやめるように言っても止めてくれないし、睡眠時の歯ぎしりは無意識の制御だから、心の治療に進むわけです。根本的には歯周病の治療のためにやっていたことですが…。

心の治療ができるようになってくると、更に視野が広がりました。実は、難聴、聴覚障害、耳鳴り、めまい、頭痛、肩こり、吐き気、鬱病なども、根は同じところにあって、そこから解決しないといけないのです。すると、結果的に、他の病気も治せるようになってきました。

そういったキャリアを進めていく上では、歯科医師免許だけでは医療法上も問題が出ますから、医師の先生たちに協力を仰ぎました。幸い、何名かの医師が快く協力してくれることにより、全身を診る治療をするようになったのです。」

結果として、吉野は「嫌だった」という世襲に向き合うことになった。吉野家が1700年代から大体続く鍼灸・漢方医、東洋医術に従事する家系だと知ったのは40歳のときだった。  (つづく)

※敬称略

Source: ハフィントンポスト

\ SNSでシェアしよう! /

ワークシフト 日本働き方改革推進本部の注目記事を受け取ろう

NO IMAGE

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

ワークシフト 日本働き方改革推進本部の人気記事をお届けします。

  • 気に入ったらブックマーク! このエントリーをはてなブックマークに追加
  • フォローしよう!

著者紹介 著者一覧

genki

genki

 小学校元教諭。6年間、教壇に立つが日々追われる実務、長引く会議、閉塞的な職場に、次第に心が疲弊していく。やがてブラックな職場で自殺願望すら生まれ、このままでは死ぬ前に後悔する人生になってしまうと思い退職を決意。小学校の先生を辞め、自力で稼ぐと決断する。
 そして、幸運な事にビジネスの権威と出会う機会に恵まれ、直接指導を受ける機会を得る。この決断がたった1つの奇跡的な出会いを引き寄せ、その後は師に教わったビジネスノウハウをひたすら実行し続け会社の発展に至る。
 会社設立から3年後、デンマークで最高峰の働き方が実施されている企業を現地視察。管理職、社員が共に幸せになれる8つのエッセンスを欧州より持ち帰り、自身の会社を通して日本中に広めようと奮闘中。
 埼玉県さいたま市出身。既婚。早く子供が欲しく妊活真っ最中の1983年5月生まれ。趣味は空手、柔術、ウクレレ、食べること、バターコーヒー。好きな言葉は下座達観。

この人が書いた記事  記事一覧

  • イーロン・マスク氏の偽物に注意。「お詫びに40億円分の仮想通貨をプレゼント」のサイトに誘導

  • 岐阜県多治見・美濃で40℃到達 5年ぶりに記録

  • 可愛すぎる「容疑者」を逮捕。警察が発表した顔写真に全米がホッコリ

  • 可愛すぎる容疑者を逮捕。警察が発表した顔写真に全米がホッコリ

関連記事

  • Apple、Siriのウェブ検索をBingからGoogleに変更――iOS、Mac Spotlight、Safriの結果が一致

  • 読者に本を最適に届ける出版プラットフォーム――幻冬舎とCAMPFIREが共同出資会社を設立へ

  • 酒飲みをときめかせる「焼酎」ゼリーが登場 「図書館で飲める」「ストレス発散に良さそう」

  • アナリスト曰く、Appleはブラックフライデーの週末にiPhone Xを600万台売った

  • カーリング女子、3位決定戦の放送時間と見どころは? 銅メダルかけてイギリスと対戦(平昌オリンピック)

  • 加藤浩次、仮想通貨より現金主義 持っているのは「5、6000万」