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「受け身なのが、スマホと相性が良い」。テレビ朝日・早河洋会長が語る、Netflixにない“Abemaの強み”

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テレビ朝日・早河洋会長兼CEO

テレビ朝日が、サイバーエージェントと始めたインターネット放送局「AbemaTV(アベマTV)」が2018年4月に開局2年を迎えた。自宅だけでなく、外出先でもニュースやアニメなどを見られるのが強みで、アプリのダウンロード数は3000万を超えた(2018年5月)。

Netflixなど海外の動画配信サービスが広がるなか、日本のAbemaTVはスマホ世代の「新しいテレビ」になれるのか。テレビ朝日の早河洋会長兼CEO(最高経営責任者)に聞いた。

――AbemaTVが2周年を迎えました。

アプリのダウンロード数が3000万で、2年間の数字としては順調です。

ターゲットは10代から30代。最初は男性が多かったのですが、今は男女バランスが取れた形になっています。

好調の背景は(1)多チャンネル(2)無料で視聴できる、ということもありますが、UI(アプリの見やすさやデザインなど)もあると思います。将棋の藤井聡太七段の対局や、2016年11月の元SMAPの出演など話題性を心がけてきました。

第30期竜王戦決勝トーナメント1回戦で増田康宏四段(手前右)に勝ち29連勝を達成。感想戦で対局を振り返る藤井聡太四段=2017年6月26日、東京都渋谷区の将棋会館 

2017年11月2日〜5日にAbemaTVで放送された『72時間ホンネテレビ』より。稲垣吾郎・草彅剛・香取慎吾が出演した。

――テレビが抱えている課題は何でしょう。サイバーエージェントと組んで改善しましたか?

「テレビ離れ」が指摘されています。家族の人数が少なくなったり、若者がリアルタイムで観ずに、見逃し配信で視聴したりすることが原因でしょうか。AbemaTVは10〜30代に強く、テレビ朝日は割とシニア層に強い。両社でいいバランスが総合的に取れています。

――テレビ離れは、テレビ局のコンテンツ力の低下が原因ではないですか。

それはないと思いますね。ドラマでいうと、(米倉涼子主演の医療ドラマ)「ドクターX」は総合視聴率(リアルタイムとタイムシフトのいずれかでの視聴)で35%あります。

(元SMAPの)木村拓哉さんらが活躍して作り上げてきた日本のトレンディドラマの歩みを振り返ってみると、20%は当たり前、25%〜35%ぐらいの視聴率を取ってきた。

リアルタイムで見るということは減っているかもしれませんが、全体を合わせれば、そんなに衰えてはいない。

スポーツは普遍的に高視聴率を取れるという意味では変わりません。

――世界的には、Netflix、Hulu、Amazon Primeなどユーザーからお金を取る「動画配信ビジネス」の勢いが止まりません。どうしてAbemaTVは、無料の多チャンネル戦略にしたのでしょうか。

サイバーエージェントの藤田晋社長が最初に声をかけてくれた時はSVOD(一定の期間にお金を払って映像コンテンツを見る方式)を構想していたと思うんです。でも、「さぁ、やるぞ」というタイミングの2015年の年末年始ぐらいに「無料広告モデルで行こう」と。

(SVODなどの視聴方法だと)見たい番組を探すためには、ストレスがかかるわけです。たとえばHuluならトップ画面を開いて、ラインナップから番組を探さないといけない。

AbemaTVは、スイッチをオンすれば、まずはニュース。それでスワイプすればどこのチャンネルもすぐ選べる。使い勝手がいい。受け身で見ていくという形が、スマホと相性が良い。

――藤田社長はどんな人ですか?

創業20年で、今では上場も果たし、売上4000億円規模。サイバーエージェントの中で基幹の社員はおよそ4000人ですが、社員から慕われている兄貴分みたいでね。威張らない。僕とはぜんぜん違います。

藤田晋氏(サイバーエージェント代表取締役社長)

――かつては元ライブドア社長の堀江貴文さんが「ネットとTVの融合」を唱えていました。

こういう時代はあまり想像していなかったですね。ただ、インターネットというシステムと、テレビ局がクロスするというか、連携しなきゃいけないなという時代に入っているなと。まあ、若い人にはそういう仕事を命じてやってきました。良いタイミングで藤田社長が声をかけてくれたなという感じですね。

――テレビ朝日で過去に放送されたバラエティーの最新作や地上波で放送中の番組の完全版などを放映する『バラエティーステーションpresented by テレ朝』ができました。

AbemaTVが開局2周年を迎え、テレビ朝日との提携を「強化しましょう」という話が役員会でありました。番組の制作や宣伝を一緒にやろうとなったんです。そのひとつがこのバラエティチャンネルです。

テレビ朝日の主だったバラエティをスピンオフで流したり、オリジナルで作ったりします。たとえば「陸海空 地球征服するなんて」や「しくじり先生」などです。

――AbemaTVが充実してしまうと、既存のテレビを見なくなりますね。

AbemaTVでヒットしたものを、テレビ朝日の方に戻して、放送してもいいし、テレ朝が作っているものを変形したり、作り直したり、あるいはあたらしい要素を入れたりしてAbemaTVに流すということもできます。たとえばロケに行って、たくさんの映像を撮って、テレビ朝日側で30分にしちゃうのはもったいない。

使わないカットを再利用して、例えばナスD(バラエティ番組に自ら出演するテレビ朝日の友寄隆英ディレクター)が撮影の裏話のエピソードを話すとか、そんなことができるんですよね。

――早河さんはNetflix、Amazonプライムは使っていますか。

AmazonプライムやHuluは見ています。アクション作品を見ることが多いですね。加えて、休みにはレンタルビデオを借りて、年間150本は見ている。

今でも駅前のTSUTAYAに行くんですが、懐かしいといったら変ですが、使い勝手という意味ではレンタルのアナログな視聴法が、楽な時が、気分としてはありますね。新作を必ずしも好んで見るわけではないですから。SVODは新作競争になりますよね。

——競争?

お金をかけて新作を撮って、そこに来るお客さんが新たな加入者になっている。

「ハウス・オブ・カード 野望の階段」(Netflixで大ヒットした政治ドラマ)のような話題作を次から次に撮っていく。だからNetflixは他との差別化も含めて、勝者になるために巨費を投じている。勝者とそうではない者が確定するまで続く、飽くなきコンテンツ戦争ですよね。

――とはいえ、「ハウス・オブ・カード」のような、映画並のレベルの作品はAbemaTVにはないです。

AbemaTVは、そっちのほうにいかなかったわけですから。そっちのほうに行けば作品も買い込まなきゃいけないし。そういう競争はSVODのほうでやってくださいと。我々のほうは無料ですから、多チャンネルの中で、好きな番組を選択してくださいと。

SVODは、基本的にはドラマ、アニメ、バラエティといういわゆるエンターテイメントの世界。AbemaTVの方は報道機能があるし、スポーツの伝達機能もあるし、そこがちょっと違うのかな。

――無料のAbemaTVに合っているのはどんなコンテンツですかね。

将棋じゃないですかね(笑)。あんなにインターバルがあって、長時間見ている人って辛抱強い。1000万人が将棋を見ている、というわけではないんですが。それと麻雀ですかね。「ハウス・オブ・カード」のような大作は、コストもかかり、作れる数の限度がありますからね。

――ところで、テレビ局が使っている「視聴率」は必要でしょうか。賞味期限を迎えているのでは。

視聴率は、変わっていくとは思います。今までは世帯あたり、どのぐらい番組を見たのかを計ることがメインでしたが、今後は個人単位で計測するようになっていく。広告宣伝としてどこまで機能したのかがわかるような数値の出し方に、変わりつつあるんです。それはかなり研究しています。

――テレビ朝日の本社内を歩くと、廊下に高視聴率の番組を祝う派手なポスターがペタペタと貼ってある。古い指標に依存していませんか?

ネットの世界でもどこでも、ユーザーの数は、ビジネスの基本ですから。視聴率が古くなっているという考え方を、僕は取らないですね。

すごく良い番組を作ったけど、「視聴率が5%でした」という時に「それは良かったな!」という人は誰もいないですよ。「中身が良いから、良いんだよ!」って僕なんか入社した頃はそう反論したこともありましたけど、あっという間に視聴率至上主義者になりましたね(笑)。

――放送番組の「政治的公平性」などを定めた放送法4条の撤廃が議論されていました。撤廃は見送られましたが、過去には「椿発言」(1993年の解散総選挙で、テレビ朝日が非自民に対しては好意的に、自民党にはネガティブな報道をしたと疑われた)もあり、テレビと公平性は、常に考えないといけないトピックです。

放送法4条の「政治的公平」ですよね。また、放送法には「放送が健全な民主主義の発達に資するようにすること」とあり、テレビ報道には不偏不党などのガイドラインがあります。

「公平」というのは、たとえば国会の議席に応じて、政治家の発言の時間を割り振る、という考え方ですよね。「定量的概念」です。

もう一つ似たような言葉である「公正」は、大衆や国民とかにとっての「正しさ」です。定量的な「公平」だと「朝まで生テレビ」はできない。

「公正」は定性的概念ということで、それをうまくミックスして報道番組系は番組制作をします。

たとえば政権のことを、「やることはすべて正しい」と報道すれば、視聴者の中には、「それはどうかな」という人もがいるんじゃないでしょうか。高齢化社会に対する施策がでてきたときに「ここはこうすべきでは」という問題提起は、メディアの役目だとは思います。

 

――「公正」「中立」「公平」など様々な言葉がごっちゃになっていて、問題提起をすること自体も「偏っている」と思われてしまう時代です。

そうですね。なんか、ものが自由に言えない社会っていうのは嫌だなあとは思いますよね。

――今後、AbemaTVをどうしていきたいですか。

「なにかあったらAbemaTVのニュース」という入り口になって欲しい。例えば、地震や台風などの災害のほか、「列車が停まっている」「高速が大渋滞している」などの時にパッと見てもらえる。あるいは野球の大リーグの大谷翔平選手の成績など、何かあったらAbemaTVを見れば大丈夫だよという信頼感というか、そういうのを作っていきたいですね。

Source: ハフィントンポスト

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著者紹介 著者一覧

genki

genki

 小学校元教諭。6年間、教壇に立つが日々追われる実務、長引く会議、閉塞的な職場に、次第に心が疲弊していく。やがてブラックな職場で自殺願望すら生まれ、このままでは死ぬ前に後悔する人生になってしまうと思い退職を決意。小学校の先生を辞め、自力で稼ぐと決断する。
 そして、幸運な事にビジネスの権威と出会う機会に恵まれ、直接指導を受ける機会を得る。この決断がたった1つの奇跡的な出会いを引き寄せ、その後は師に教わったビジネスノウハウをひたすら実行し続け会社の発展に至る。
 会社設立から3年後、デンマークで最高峰の働き方が実施されている企業を現地視察。管理職、社員が共に幸せになれる8つのエッセンスを欧州より持ち帰り、自身の会社を通して日本中に広めようと奮闘中。
 埼玉県さいたま市出身。既婚。早く子供が欲しく妊活真っ最中の1983年5月生まれ。趣味は空手、柔術、ウクレレ、食べること、バターコーヒー。好きな言葉は下座達観。

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