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米労働統計局のフリーランス経済調査が見逃したもの〜【世界の副業・複業、パラレルキャリア】第34回

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ギグエコノミーが縮小!?

米労働統計局は6月7日、13年ぶりのフリーランス経済についての調査結果を発表しました。それによると米国のフリーランサーは現在、全労働力の1.3~3.8%を占めているそうです。費用的な理由からこの調査が保留された2005年当時の数値1.8~4.1%とこれを比べると、この13年間にギグエコノミーのサイズは、意外にも縮小していることがわかりました。

民間の調査結果とのギャップ

これまで民間セクターが行ってきた調査では、米国のフリーランサーは全労働者の約3分の1を占めていると推定されていました。たとえばマッキンゼー・グローバル・インスティテュートの報告書では、過去12か月間に、米国と欧州を合わせた労働力のうちの20〜30%が、独立した仕事に従事しているという結果が出ています。

フリーランサーの大手マッチングサイトUpworkとFreelancers Unionが働く成人6,000人を対象に行った「米国のフリーランシング:2017」という報告書でも、米国労働者の36%がフリーランス化しており、2027年までにこの割合は50%を超えると推定されています。

米労働統計局の調査方法

米労働統計局の調査結果と民間の調査結果がこれほどかけ離れているのは、いったいどうしてでしょうか。そして、どちらの調査が米国のフリーランス経済の実態をより正確に表しているのでしょうか。

米労働統計局の調査は「継続的な雇用契約をしていない労働者」に焦点を当てたもので、「主な仕事」(=最も多くの時間働いた仕事)についてのみ質問が行われています。この方法ではサイドワークや夜間に副業をするムーンライターは必然的に削除されることになります。

Upworkの CEOステファン・カスリエル氏は、この調査は2週間の労働活動をモデルにしたもので、プロジェクトとプロジェクトの間にギャップのあるフリーランサーの作業スケジュールを正確には反映していないと指摘しています。

この調査について米Entrepreneur誌も、今日の現実と矛盾した、極めて白か黒かの判断が行われてると論じています。今日の労働者は「伝統的な9時から5時の仕事」か、「フリーランスワークの生活様式」かに限定されてはいません。

前回の調査の2005年と言えば、ブロードバンドインターネットを利用していたのは米国成人の29%のみ、Facebookが生まれてわずか1年。テクノロジーとの接続性が仕事に及ぼす影響すらはっきりしていませんでした。

それが今では、モバイルで仕事を見つけて収入を得る選択肢が山ほどあります。現在4,400万人のアメリカ人が 主な収入源のほかに、副収入のためのサイドハッスルを行っていると言われます。労働者の主要な職業にのみ焦点を当てたことで、この調査は副収入の一部として独立した仕事をしている何百万人もの労働者や、フルタイムの仕事の一時的な補足としてギグタスクを請け負っている労働者を無視していると、この記事も指摘しています。

米労働統計局のその他の調査結果

この調査に参加したフリーランサーと独立請負業者の8割近くが、自らの仕事は価値あるもので、伝統的な労働よりも好ましいと答えています。これを伝統的な仕事と同レベルの所得統計(週 851~ 884ドルまでの平均収入)と組み合わせると、フリーランシングは多くの米国人にとってフルタイムで働く価値のあるものということになります。

また調査結果は、健康保険を保有しているフリーランサーの割合が76%と急上昇していることも示しています。高齢者(3人に1人のフリーランサーが55歳以上)に限ったグループの場合、これは非常に有意義で、フリーランシングはより多くの米国人が独自の条件で生計を立て続けることを可能にする労働形態だと結論できます。

まとめ

人々の働き方を学ぶことで、政策立案者は経済と労働力がどう変化しているかを把握することができます。その意味で、政府機関によるこのような調査はとても望ましいものですが、その方法論には改善の余地がありそうです。

労働者の主要収入源だけでなく、副収入源についても質問することで、フリーランス経済とその労働者のイメージをより正確につかむことができます。そこから立法者は労働者の困難な点を理解し、それを改善する方法を学ぶことができるでしょう。

失業率が3.8%に下がっても、4割の雇用者が必要とする援助を見つけられないでいる米国。フリーランシングは米国労働者のビジネスを成功させる鍵を含んでいると言えそうです。その成功はもちろん、行政がフリーランス経済をどう育成するかにかかっています。具体的には、医療保険や税金控除の必要性など、ギグエコノミーによって引き起こされた〝懸念″に対処する法案を可決させることですが、日本のフリーランス経済もいつかそこまでたどり着くでしょうか。

参考記事:https://contently.net/2018/06/08/trends/米労働統計局-research-freelance-economy/

記事制作/シャヴィット・コハヴ (Shavit Kokhav)

Source: ノマドジャーナル

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