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「好きでたくさん働くと、会社がダメになる」バスケ千葉ジェッツ社長に、みんなが“ハッピー”になる方法を聞いた。

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島田慎二社長

2年連続で年間の観客動員数リーグNO.1(※1)を達成し、バスケット日本一を決める大会「天皇杯」で2連覇を果たしたプロバスケットボール・千葉ジェッツ。

全力で競技に取り組むプロ・スポーツの世界では、チームを支える社員も「働き過ぎ」になりやすいと言われる。ジェッツにも創設当初、”長く働くのが当たり前”という雰囲気が蔓延していた。

その空気をガラリと変え、定時で帰る組織を作ったのが、島田慎二社長だ。「好きでたくさん働くと、会社がダメになる」と語る島田社長に、成果を出せて、しかもハッピーになれる働き方の秘訣を聞いた。

島田慎二社長

「好きでたくさん働くと、会社がダメになる」

ーー”スポーツ界の働きすぎ”が問題視されることがありますが、島田社長の就任当初は、ジェッツの社員も「好きでやってるから長く働いてもいいだろう」という意識だったのでしょうか。​​

やっぱり好きなんですよ。それがこの会社をダメにしていると思っていました。当たり前のことですが、仕事のできる人は仕事が早いです。だから(本来は)早く帰れるわけじゃないですか。日本では、遅くいた方が頑張ってるみたいに思っている風習があるからダメです。

私は前から、会社に来なかったり半日しかいなかったりしても、何億も稼げたらいいじゃないかという考え方を持っていました。残業しなくても成果を上げている人は給料が増えるべきだと思っていますし、実際にそうしています。

例えば3時間残業した場合、(残業代は)1時間2000円なら1日6000円です。営業日が20日間としたら、月12万円、年間で144万円です。極端な話ですが、定時で帰っても今の給料より150万円増やせばいいわけじゃないですか。

ーー数字上はそうですね。

それが一番いいですよね。だからジェッツは、その(残業代)分ぐらい給料を増やしています。そのかわり、ここでの生産性を究極まで上げてほしい。掃除や整理整頓から、無駄な会議をやめるということは口すっぱく言います。

家族や自分の時間を減らしてまで、好きだから仕事するのはもうやめよう。

これでもし、残業が減った分給料も下がったら、ただコスト削減したかっただけじゃないかとなりますよね。さらに成果をあげれば更にボーナスを出すという制度にしているので、不満は出ないですよ。

島田慎二社長

全てがハッピーなんてない

ーータバコ休憩も時間を取られるので気にされているとか。

はい、もうやめています。

ーー生産性を高めるために根を詰めすぎると少し…

ぎくしゃくする?

ーー心のゆとりが足りなくなるといった意見は出たりしませんか。

そういうことがあるからこそ、会社の経営理念が必要です。私たちは「千葉ジェッツふなばしを取り巻く全ての人たちと共にハッピーになる」という理念を掲げています。

社員もステークホルダーだから幸せになってもらいたい。家族との時間を作ってほしい。仕事が終わったらエンターテイメントを見て自分の能力を上げることに使ってもらったり、習い事をしたりしてもいい。

みんなの幸せを追求するために、給料を上げてでも(残業時間を)短くしているのだから、やはりどこかしらは歪みが出るわけですよね。すべてがハッピーなんてないわけですよ。

ーーそれが一番理想ですが、なかなか難しいですよね。

(生産性を求められるという)多少窮屈なことがあっても、本質的な幸せのための登竜門みたいなものだから、やむを得ないと伝えています。チームも強くなって、観客動員数も1位になりました。日本一のバスケットチームの経営が実現できているのだから、みんな理解してくれていると思います。

意識が変えると意外とできる

ーー定時退社を掲げていますが、どの程度実現できていますか。

ほぼできていると思いますよ。

ーーすぐに変えるのは難しい面もあったと思うのですが、徐々に浸透していったのでしょうか。

一気にやりましたけど、すぐには上手くいかなかったので、結果として徐々に浸透した形です。私もオフィスの外にいることが多いですが、タイムカードを見れば定時ごろにみんな帰っていますね。

一番は意識の問題です。そもそも、「別に残業代を出してほしいと言ってるわけではないのに、仕事をしていると帰れと言うの?」というところからスタートしたわけです。頑張ってそこまで仕事してくれるのは会社にとってはありがたいですが、そんなことは望んでいません。

ーーどうやって理解を得ていったのでしょうか。

どうしてもその時間帯になるような仕事なのか。はじめから、11時ぐらいに帰る前提で会社に来ているから遅くなるわけで、飲み会がある日はみんな帰りますよね。それが毎日続いていると思って上限を決めれば、仕事のやり方が変わるからと(伝えながら)取り組んできました。

意識を変えると意外とできる。だんだん残業時間を短縮していって、今は定時に帰るのが当たり前のこととして定着しました。コミュニケーションをなくせとまでは言わないですが、社内でもムダな会話は少ないし、ミーティングは立ち話でちょこっと2、3分やって席に戻るという感じです。

私は働き方改革をしたいわけじゃなくて、生産性を高めて給料を増やし、家族との時間も作れるような会社を作りたいと思っているだけです。それを進めていったらなんとなく働き方改革になって、今の時代にもフィットしました。(残業が起こりがちな)スポーツ界でチャレンジしてるところにメッセージ性があるのかなと思います。

一方、選手は?

千葉ジェッツ対アルバルク東京、千葉のホーム戦

ーー選手はどうですか。スポーツ界はたくさん練習して、休みもあまりないというイメージを持たれていると思います。

ジェッツは短い時間でパッと練習して、パッと終わります。

ーー練習時間はどのくらいですか。

ヘッドコーチの裁量に任せてますが、チームで集中してやるのは実質2時間ぐらいじゃないでしょうか。プラス1時間ぐらいトレーニングがあったりはしますけど。

ーー練習漬けみたいなことはないのでしょうか。

それはやらないです。シーズンオフはあっても、シーズン中は土日に試合をして、月曜はオフ、火水木と練習して、金曜日調整。また土日に試合というのをずっと繰り返していきます。そんなにハードワークしたら、選手が壊れてしまうので。

他のチームも大体同じぐらいだと思いますよ。

ーープロ野球では、ヤクルトスワローズが結果が出なくて、キャンプで1日10時間練習したというニュースがありました。ジェッツの場合は結果が出ていますが、スポーツの世界は結果が出せなければ練習・練習という風潮になってしまうのかと…

オフシーズンはそういうのはやりますよ。本当に追い込んでチームを作っていくときもあれば、シーズンインしたら本当に調整しながら相手を分析して戦略を立てながら戦っていく。ステージによって違いますよね。野球もキャンプの話であって、シーズンインしたらそんな練習はしないですから。

(※1Bリーグ前身の実業団リーグ「NBL」の2015-16シーズンと、Bリーグ初年度の16-17シーズンの2年連続)

——-

好きなことを仕事にしながら、成果もあげ、自分や家族との時間も大切にしてハッピーになる。人気、実力ともに日本トップクラスのチームをつくりあげた千葉ジェッツ式の働き方には、驚かされるばかりだ。

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Source: ハフィントンポスト

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著者紹介 著者一覧

genki

genki

 小学校元教諭。6年間、教壇に立つが日々追われる実務、長引く会議、閉塞的な職場に、次第に心が疲弊していく。やがてブラックな職場で自殺願望すら生まれ、このままでは死ぬ前に後悔する人生になってしまうと思い退職を決意。小学校の先生を辞め、自力で稼ぐと決断する。
 そして、幸運な事にビジネスの権威と出会う機会に恵まれ、直接指導を受ける機会を得る。この決断がたった1つの奇跡的な出会いを引き寄せ、その後は師に教わったビジネスノウハウをひたすら実行し続け会社の発展に至る。
 会社設立から3年後、デンマークで最高峰の働き方が実施されている企業を現地視察。管理職、社員が共に幸せになれる8つのエッセンスを欧州より持ち帰り、自身の会社を通して日本中に広めようと奮闘中。
 埼玉県さいたま市出身。既婚。早く子供が欲しく妊活真っ最中の1983年5月生まれ。趣味は空手、柔術、ウクレレ、食べること、バターコーヒー。好きな言葉は下座達観。

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