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外国人家政婦は定着するか

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外国人家政婦は定着するか ~入ってくるのは「労働力」ではなく「人」であることを忘れてはならない~

先日、外国人による家事代行サービスを行っている企業の研修施設を訪ねた。2015年に改正された特区法によって都内と神奈川県内で、2016年には大阪府内で、外国人家政婦が認められた。いち早くこのサービスに参入したこの企業は、都内の一軒家を借り上げ、来日したフィリピン人に対して掃除や洗濯などの研修を行っている。

昨年末に来日し、家政婦として既に働いているフィリピン人女性の話を聞くことができた。彼女は、フィリピン国内での研修やホテルでの清掃などの勤務経験があったため、短期間の研修で勤務に就くことができた。以前に日本に滞在していたこともあり、日本語を堪能に使いこなす。これなら即戦力だろう。

必要な研修は掃除や洗濯だけではない。グーグルマップを使い、電車の乗り換えをして、一人で勤務地まで行かねばならない。外国人が、都内の電車の乗り換えをスムーズにするのは大変だろう。

顧客の家に着くと、3時間ほどをかけて掃除、洗濯、買い出しなどを行う。通常は一日に二軒を担当し、週に5日、勤務する。給与が16万ほど。時給で換算する日本人と同程度だが、税や社会保険、寮費などを引くと、手取りは月に8万円程度になるという。

2人の子どもをフィリピンに残している彼女は、この中から仕送りをしている。現在、家政婦として働くことが認められているのは3年だが、できれば日本で働き続けたいそうだ。将来的には、お金を貯めて、フィリピンのストリートチルドレンを救う活動をしたいと話してくれた笑顔は印象的だった。

実際の研修の風景を見学させてもらった。中東や欧州を含め、海外に家政婦を送り出してきたフィリピンには多数の家政婦養成学校があり、卒業すると国家資格が与えられる。資格を有している彼女たちには基本的なスキルは備わっているのだが、狭い日本の住宅で効率よく仕事をするのは大変そうだ。脱衣場、洗面台、浴室の掃除にかける時間はわずかに20分。時間内に収まらないと研修に合格しないとのこと。結構、厳しい。

研修の担当者も家政婦のフィリピン人女性も共通して指摘していたのが、社会保障の保険料の高さだった。わが国では、3年で帰国する外国人労働者にも、健康保険や年金保険料の納付が義務付けられている。ケガや病気のリスクがあるため、健康保険については受益者負担として妥当だろう。

一方、年金は3年保険料を納めても受給資格が発生しない。協定を締結している国については、帰国後、その国の年金納付期間に加算される制度があるのだが、フィリピンの場合、協定が署名済みだが発効しておらず、年金保険料を払うメリットが本人にはない。帰国する際に、脱退一時金請求すると戻ってくるのだが、手取りが月8万円ということを考えると、さすがにこれは酷だろう。企業側は完全に掛け捨てだ。社会保険料の問題は、先日訪れた技能実習生のところでも出ていた。その分を懸命働いている研修生に給料として払ってあげたいという経営者の話も頷ける。

政府は、外国人労働者の拡大に向けた議論を開始している。入口については、ヒューマニズムではなく、国益による厳格な選別があってしかるべきだ。ただ、入ってきた外国人に関しては、地方も含む参政権、職業選択の自由などを除き、最大限の人権が尊重さえるべきだし、生活環境についても配慮が必要だろう。入ってくるのは「労働力」ではなく「人」であることを忘れてはならない。

Source: ハフィントンポスト

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著者紹介 著者一覧

genki

genki

 小学校元教諭。6年間、教壇に立つが日々追われる実務、長引く会議、閉塞的な職場に、次第に心が疲弊していく。やがてブラックな職場で自殺願望すら生まれ、このままでは死ぬ前に後悔する人生になってしまうと思い退職を決意。小学校の先生を辞め、自力で稼ぐと決断する。
 そして、幸運な事にビジネスの権威と出会う機会に恵まれ、直接指導を受ける機会を得る。この決断がたった1つの奇跡的な出会いを引き寄せ、その後は師に教わったビジネスノウハウをひたすら実行し続け会社の発展に至る。
 会社設立から3年後、デンマークで最高峰の働き方が実施されている企業を現地視察。管理職、社員が共に幸せになれる8つのエッセンスを欧州より持ち帰り、自身の会社を通して日本中に広めようと奮闘中。
 埼玉県さいたま市出身。既婚。早く子供が欲しく妊活真っ最中の1983年5月生まれ。趣味は空手、柔術、ウクレレ、食べること、バターコーヒー。好きな言葉は下座達観。

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