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140字の世界で、今日も言葉を紡ぐ。摂食障害と戦うわたしは、明日生きる理由をみつけた

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食べたい食べたい、怖い怖い食べられない

そんな呪縛にとらわれたかと思えば、食べたくない食べたくない苦しい、でも食べたいという呪縛にとらわれる。

大学一年生の私は、摂食障害と戦っていた。

始まりは中学生の頃。当時所属していた部活で部長やレギュラーを任されていたプレッシャーや、多感な時期の人間関係の悩みに押し潰された私は、拒食症に陥った。誰にも頼れず、自分ひとりですべて抱えてしまった結果だった。

異常な食事制限をし、空腹に快感を覚えるようになった。何もうまくいかない毎日の中で、食事だけはコントロールできているという感覚があった。体重はみるみる減り、ガリガリになり、生理も来なくなった。しかし、私にはその状態が「普通」になっていた。

その次に待っていたのは、それまでの反動と言わんばかりの過食症だった。食べたくないのに衝動を押さえられず、息が苦しくなるほど胃の中に食べ物を詰め込んでしまう。ひどい罪悪感と焦燥感に駆られ、一日がどんどん無駄になっていく。

過食している自分を見られたくなくて、友達とも会わなくなった。学校も休むようになった。家族ともうまくいかなくなった。泣きながらひとり、暗い部屋で食べ物を詰め込んでいた。

病気のことを話せる「友達」との出会い

しかし、大学生になった私は思った。

「このままじゃ嫌だ」

私も、普通に友達や家族とごはんに行きたい。楽しく食事がしたい。こんなことで苦しみたくない……。

そんな時に目にしたのが、ハフポストに載っていた、野邉まほろさんの記事だった。

過食症を克服したというまほろさんの記事を見て、私は「会ってみたい」と強く思った。今まで、周りのひとに自分の病気のことを話したことがなかった私は、心のどこかで、病気のことを話せる「友達」が欲しかったのかもしれない。

大学一年の春、私はまほろさんに会いに行った。実際に会ったまほろさんは、とてもきらきらしていてかっこよくて、ネガティブな私を前向きにさせてくれるような方だった。病気だったことを悲観的に語らず、むしろ誇りであるかのように語る姿が印象的だった。「誰だって治せるよ」その言葉が、私の背中を押した。

「変わりたい」と、そのとき私は強く思った。

まほろさんと別れたあと、新宿駅でひとり、どうすれば変われるか考えた。何か、自分を変えるきっかけがほしい。私に何ができるだろうか…。

そうして思い付いたのが、Twitterを使った「140字小説」だった。

身体が弱かった私は、小さい頃から本を読むのが好きだった。そして、密かに自分でノートに小説や詩を書いていた。

摂食障害になってから、大好きだった本が読めなくなり、小説や詩も書けなくなっていた。けれど、いつかもう一度、自分の言葉で文章を書きたいという気持ちはたしかにあった。

そして私は、Twitterで文章を書くことを始めた。

Twitterの文字数制限は140字。ならば、その枠の中で、小説を書き続けるのはどうだろう。毎日、自分の言葉を140字で発信するのはどうだろう。

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明日を生きる理由は、身近に転がっている

摂食障害で苦しい時、本なんか読むことができなかった。親の言葉も友達の言葉も、心に入ってこなくなった。

けれど、私を救ってきたのもたしかに、とある本の一行であったり、とある病院の先生の一言であったりと、「言葉」だった。

言葉はひとを救う。

もしどこかで苦しんでいるひとがいたら。140字の言葉なら、長い本より心に入ってきやすいかもしれない。見ず知らずのひとが書いた短い物語のほうが、気軽に読めるかもしれない。ふと見たTwitterで、少しでも心が軽くなるかもしれない…。

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そう思った私は、Twitterで、毎日140字小説を投稿することを決意した。どこかで人知れず苦しんでいるひとたちに向けて。そして、苦しみながらも戦っている、自分自身に向けて。

つらくて死にたくてどうしようもないとき、ひとつでも明日を生きる理由があれば、案外生きていけるかもしれない。その明日を生きる理由が、身近に転がっていることを知ってほしい。

そして、実際に行動に移すことを、摂食障害を治す決意をした証とした。

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まだ私は摂食障害と戦っている。明日どうなってしまうかもわからない。不安と常に戦っている。けれど、治すんだという決意は、たしかに胸の中にある。

将来の夢は、摂食障害を治して、小説家になることだ。

私は140字の世界で、今日も言葉を紡ぐ。誰かの、そして自分の、明日を生きる理由になるために。


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Source: ハフィントンポスト

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著者紹介 著者一覧

genki

genki

 小学校元教諭。6年間、教壇に立つが日々追われる実務、長引く会議、閉塞的な職場に、次第に心が疲弊していく。やがてブラックな職場で自殺願望すら生まれ、このままでは死ぬ前に後悔する人生になってしまうと思い退職を決意。小学校の先生を辞め、自力で稼ぐと決断する。
 そして、幸運な事にビジネスの権威と出会う機会に恵まれ、直接指導を受ける機会を得る。この決断がたった1つの奇跡的な出会いを引き寄せ、その後は師に教わったビジネスノウハウをひたすら実行し続け会社の発展に至る。
 会社設立から3年後、デンマークで最高峰の働き方が実施されている企業を現地視察。管理職、社員が共に幸せになれる8つのエッセンスを欧州より持ち帰り、自身の会社を通して日本中に広めようと奮闘中。
 埼玉県さいたま市出身。既婚。早く子供が欲しく妊活真っ最中の1983年5月生まれ。趣味は空手、柔術、ウクレレ、食べること、バターコーヒー。好きな言葉は下座達観。

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