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いつか席を譲る日がくる

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去年、2人の友人のために私は「喪服」を着た。

実家を出るときに「嫁入り道具として喪服買おうか」と母に言われたが「まだ誰かが死ぬ年齢でもないでしょ」と断った。

「なぜ、そう思ったんだろう」と思いながら喪服になりそうな服を探した。

人生で初めて、友だちが死んだ。

2人の友人が死んだのはまったく別の話。

死んだ日時も場所もまったく違う。

共通していることは学生時代のバイト仲間だったということ。

1人は明け方タクシーに跳ねられ、即死。

もう1人は首都高を運転中に工事車両にぶつかって、即死だった。

棺の中にいるのは誰なの

タクシーに友人が跳ねられ死んだと聞かされたのは昨年の3月。

彼は笑顔が爽やかで私が何をやっても笑って「また俺がお前のケツを拭くのか」と私の顔を大きな手で掴んでくれた。

予備校で出会い、大学入学後は、一緒にコンビニでバイトした。

辛いときは真夜中でも自転車で駆けつけてくれた。

そんな彼の葬儀は私の退職日だった。

仕事が終わり挨拶をして駆け足で葬儀場に向かう。

会場に入ると照れ臭そうに笑う彼の姿が額縁のなかにあった。

彼と一緒につるんでいた仲間たちとお焼香をあげ、遺影のなかで笑う彼と対面した。

「これはだれなの…」、棺の中にいる彼は別人だった。気づけば膝から崩れ落ち泣き叫んでた。

「大丈夫だよ。ほら、帰るよ」と後ろから私の背中をさする友人。

「何が大丈夫なの!?」と泣いて暴れ、最終的には友人に担がれて会場の外に出た。

2人目の彼が無くなったのはその半年後。

バイト中によくからかいあい、仕事が終われば寒空の下、タバコを吸って缶チューハイを飲んだ。

そんな時間は大学卒業と同時に終わった。それからはまったく会ってなかった。

そんな彼の葬儀で私は冷静だった。遺体の面会は避けた。

申し訳ないけど、変わり果てた彼を私は受け入れることができないから。

友だちは友だちだ。

どこかで元気にやってんだろうなと思っているときに死なれたら、会っていなくても寂しいし悲しい。

とても、受け入れがたいことだ。

交通事故や天災、病気、老衰、自殺、いろんな死に方があるけど、私は「死ぬことは絶対数から溢れた結果」だと思ってる。

地球のどこかで人口が増えればそのぶん誰かが死ななきゃいけない。

その繰り返し。

今年、たまたま私の友人が2人、そこから溢れた。

ただ、それだけ。

私もいつか誰かに席を譲る

私もいつか溢れて未来ある者のために席を譲らなくちゃいけない。

生きるっていくつもの奇跡が重なってて、生き続けるっていうのはマッターホルン登頂よりも実は大変なものなんだと思う。

友人の死は辛いけど、私はまだ、きっと、まだまだ生きなきゃいけない。

もっと気合いを入れて生き続けなきゃいけないんだ。

(2018年1月19日noteより転載)

Source: ハフィントンポスト

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著者紹介 著者一覧

genki

genki

 小学校元教諭。6年間、教壇に立つが日々追われる実務、長引く会議、閉塞的な職場に、次第に心が疲弊していく。やがてブラックな職場で自殺願望すら生まれ、このままでは死ぬ前に後悔する人生になってしまうと思い退職を決意。小学校の先生を辞め、自力で稼ぐと決断する。
 そして、幸運な事にビジネスの権威と出会う機会に恵まれ、直接指導を受ける機会を得る。この決断がたった1つの奇跡的な出会いを引き寄せ、その後は師に教わったビジネスノウハウをひたすら実行し続け会社の発展に至る。
 会社設立から3年後、デンマークで最高峰の働き方が実施されている企業を現地視察。管理職、社員が共に幸せになれる8つのエッセンスを欧州より持ち帰り、自身の会社を通して日本中に広めようと奮闘中。
 埼玉県さいたま市出身。既婚。早く子供が欲しく妊活真っ最中の1983年5月生まれ。趣味は空手、柔術、ウクレレ、食べること、バターコーヒー。好きな言葉は下座達観。

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