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あなたが死んだらブログやSNSはどうなる? 「故人サイト」の専門家に聞いてみた。

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暗闇に白いバラのイメージ写真

僕らはあらゆる生活がインターネットと結びついた世界で生きている。ブログやSNSに毎日、いろいろなことを書き込んでいる。でも、もし突然死んだら、自分のアカウントはどうなるのだろう。そんな風に、ふと考えてしまう出来事があった。

   

■死が不確定なまま更新停止

3万冊近い漫画のコレクターというKさん(仮名)のブログは、漫画に関する莫大な情報量で知られていた。週刊誌や月刊誌の作品のあらすじ紹介が、毎日のように更新されており、私もよく見ていた。それが、2017年12月に突然停止した。すでに3カ月近くが経過している。

ブログの最新記事のコメント欄には、安否を心配する声が多く寄せられていたが、年が明けて状況が変わった。「Kさんはクモ膜下出血の為、永眠しました」と、知人を名乗る人物から報告があったからだ。

私もコメント欄で取材を申し込んだが「遺族と話し合った結果、今はゆっくり休ませたい」という返答があった。Kさんはペンネームで活動していたため、本名や住所も不明だ。生前に交流があったメディア関係者らにも問い合わせたが、Kさんが本当に亡くなったのかどうか、確証は得られていない。

12月で更新が止まった最新記事のコメント欄には、Kさんへの感謝や冥福を祈るコメントが続々と寄せられている。「楽しいブログをありがとうございました 」「もう記事を読めないのは残念です」といった内容だ。

「実はドッキリでした」と、Kさんがひょっこりブログを再開する可能性だってある。でも、Kさんが死んだという可能性を否定もできない。何とも宙ぶらりんな状態なまま、ブログは存続している。

私は少し怖くなった。自分が突然亡くなった場合のときのことを考えたからだ。自分のブログやSNSは、どうなるのだろうか。Kさんのように突然更新が止まり、生きているのか死んでいるのか、あやふやなまま、ネット上に残り続けるのだろうか。

そこで、ハッと思い出した。知人の記者が「亡くなった人のサイト」の調査を専門にしていると以前、語っていたのだ。久しぶりに連絡を取ってみることにした。

 

■古田雄介さんは語る「ネットは生者のためのシステム」

取材に応じる古田雄介さん

こうして2月下旬、古田雄介さんに会うことになった。1977年名古屋市生まれ。マンションの施工現場監督と葬祭業スタッフを経て、2002年から雑誌記者として活動している。登録ユーザーが亡くなったデジタルコンテンツの追跡をライフワークにしており、著書に「故人サイト」(社会評論社)などがある。

降りしきる冬の雨が体の芯まで冷える中、渋谷駅前の喫茶店で話を聞いた。

— 「故人サイト」の本を書く際に、サイトの管理者が亡くなったかどうかはどうやって確認しましたか?

完全に裏取りをしようと思ったら、遺族と連絡を取ってやり取りをして、死亡証明書を見なければ分からない。僕も本を書いたときには、遺族と連絡が取れたにしても、どこまで行っても「99.99…%」なのは変わらなくて、断定はできないケースも多かったです。

有名人や事件で亡くなった方だったら、マスコミ報道で裏付けはできるんですが、一般人の方だと難しいですね。

確実に裏が取れないときはどうしましたか?

死亡説が流れて追悼の場になっているというのは、多くのブログで共通しています。コメント欄で「死亡説が流れている」というのは確実なんですよね。

そこまでの状況になって「全部ウソでした」という場合は滅多にない。けれど、ゼロでもない。だから、断定するのは客観的な事実に限って、確認しようがない部分は推定だとわかるように書き分けを意識しました。

— 確実な裏が取れたケースの割合は?

全体の半分ですね。「どうやら亡くなったらしい」と、文中で歯切れが悪くなったケースも多かったです。

— 本人が亡くなってパスワードも分からない状態だと閉鎖すらできないわけですよね?

そうですね。ただ、例外もあります。Facebookだと家族や友人が「この人は亡くなりました」と「追悼アカウント」に切り替える申請ができるんですよ。

2007年にバージニア工科大学の銃乱射事件で30人近い学生が亡くなったときに、同級生たちからアカウントを削除するのではなく「メモリアルなページ」にしたいという動きがありました。それでFacebookが対応したのが始まりといわれています。一般の人も申請ができるようになったのが、2009年くらいですね。

最近はそれが発展して、本人が生前に「追悼アカウント管理人」を指定したり、仲間から運営元に死亡報告が届いたらページを抹消するように、あらかじめ設定したりできるようになっています。元気なうちに、そうした対策ができる場合もあるわけです。

Facebookが追悼アカウントになると、どうなりますか?

まず「この人の誕生日です」「お友達かも」みたいな通知には出なくなります。当該ページは氏名の上に「追悼」の文字が表示されるので、ひと目で分かるでしょう。そのページにはログインできなくなり、ダイレクトメッセージも見られなくなります。

追悼アカウント管理人が設定されている場合に限り、新規にテキストや写真を投稿したりできます。この場合もダイレクトメッセージは閲覧不可ですが。

— 他のSNSではどうでしょうか?

Facebook社が買収したInstagramでも、似たような追悼アカウントをやっていますね。Linkedinも訃報窓口を設けています。Twitterも亡くなった人のアカウントの対応を2010年から始めているんですが、あまり機能していないようです。

2012年に取材した際は「ここ半年は全世界で依頼ゼロ」とのことでした。Twitterの場合は個人情報を細かく入力しないケースが多いので、故人を特定することがそもそも難しい。

— Googleアカウントはどうなっていますか?

Googleには、最短3カ月でアカウントを無効化する「アカウント無効化管理ツール」というのがありますね。Google アカウントを抹消するだけでなく、あらかじめ設定したメールアドレスにメッセージを送ったりアカウント内のデータを託したりといった設定もできます。

—ブログの場合は、もし利用者本人が亡くなったあとに、遺族が申請を出しても、なかなか認められないケースもあるんでしょうか?

大手だとそういった問い合わせが届くのも珍しくなくなっているようです。ただし、ブログを引き継げるか削除しか選べないかは、そのブログのスタンスによります。たとえばニフティは一身専属制といってアカウントが相続できないスタンスになっています。かつてはビッグローブやソネットも同じでしたが、方針転換して引き継げるようにしています。

—もし、遺族の方がブログの存在にすら気が付かない場合や、気づいててもブログ運営会者に連絡しなかった場合にはどうなるのでしょう?

無料サービスなら当面はそのまま残ります。遺族遺族が気づいたり、よほど犯罪性のある荒らしに遭ったりしない限りは、誰かが能動的に関わることはないでしょう。とはいえ10年残ることは稀ですね。一つのサービスが10年続くことは珍しいので、サービス終了に伴い、自然に消えていくのは典型的なパターンのひとつです。ただ、それは今後変わるかもしれない。

—というと?

人工知能(AI)の登場で、サイトを放置するリスクが利用者にとっても運営側にとっても高まっているんです。放置されたページであっても生きている誰かとつながりがあれば簡単に紐付けられる。

たとえば、亡くなった親のブログの内容から、そこで今も暮らしている娘の住所を瞬時に割り出したりとか。そういうリスクが上がれば、今のようにほったらかしのままではいられなくなるかもしれません。

ブログサービスを運営している側が、更新されないブログを放置しにくくなる、ということですか。

そうですね。そうなると運営側にとっても削除コストが上がっていくので、もうちょっと3カ月間何もしなかったら削除しますよ・・・とか。以前のホームページサービスでよくあったような規約が復活するかもしれませんね。

—もし自分が死んだときに、サイトが管理不能状態でずっと残るというのを避けるためには、どうすればいいと思いますか?

家族に託すのが一番です。ブログやSNSについても「俺が死んだら消しといて」とか、「ネット上でしか付き合いのない人もいるから、こういうメッセージを入れといて」といった具合にお願いをしておくのが確実ですね。

—家族がいなかったり、家族と連絡を取りたくないケースにはどうすれば?

「死後事務委任契約」をするという手段もあります。弁護士や司法書士の人に、死亡後の各種手続きや葬儀や知人への連絡の手配などを委託するというものです。

ネット上のアカウントの処理についても委託できます。まだ対応してくれるところは少ないし、プロに頼むのでお金はかかりますが…。

—やはり「家族に託す」のがベストだと?

はい。家族に、予め知らせておくというのが一番ですね。なぜ家族が一番いいのかというと、突然死した場合、警察から家族に連絡が行くのが一般的なパターンなので、訃報をまっさきに受け取りやすいからです。

友人・知人の立場で契約関連の手続きを代行するのは難しいという事情もあります。

—お話しを聞いていくと、ネットの仕組み自体が、ユーザーが生きていることを前提にしているようにも感じます。

そうですね。基本的にネットは「生者のためのシステム」なんですよね。相続を全く想定していないことも多いんですよ。たとえば、最近はビットコインを初めとした仮想通貨の取引きが盛んですが、もし利用者が死んだらどうなるのか気になったことがあったんです。

そこで国内の仮想通貨の取引所の主要7社ほどに取材したんですが、利用者が死亡したケースについて問い合わせたら、「考えていない。規約がない。問い合わせが来たら規約をつくる」というような返事ばかりでしたね。それくらいフワフワしている。利用者が亡くなった後のことは、ほとんど考えられていないのが現状なんです。

古田雄介さんの著書「故人サイト」(社会評論社)


Source: ハフィントンポスト

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genki

genki

 小学校元教諭。6年間、教壇に立つが日々追われる実務、長引く会議、閉塞的な職場に、次第に心が疲弊していく。やがてブラックな職場で自殺願望すら生まれ、このままでは死ぬ前に後悔する人生になってしまうと思い退職を決意。小学校の先生を辞め、自力で稼ぐと決断する。
 そして、幸運な事にビジネスの権威と出会う機会に恵まれ、直接指導を受ける機会を得る。この決断がたった1つの奇跡的な出会いを引き寄せ、その後は師に教わったビジネスノウハウをひたすら実行し続け会社の発展に至る。
 会社設立から3年後、デンマークで最高峰の働き方が実施されている企業を現地視察。管理職、社員が共に幸せになれる8つのエッセンスを欧州より持ち帰り、自身の会社を通して日本中に広めようと奮闘中。
 埼玉県さいたま市出身。既婚。早く子供が欲しく妊活真っ最中の1983年5月生まれ。趣味は空手、柔術、ウクレレ、食べること、バターコーヒー。好きな言葉は下座達観。

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