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膵臓がんと告知されたお母さんの日記(第23話:「生きる力はどこからやってくる?」)

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不定期でブログを投稿させていただきます、西口洋平です。妻と小学生のこどもを持つ、一般的な38歳男性です。「ステージ4のがん」であることを除いては。

がんだと宣告されたときに、おぼえた孤独感。仲間がいない。家族のこと、仕事のこと、お金のこと……相談できる相手がいない。同じ境遇の人が周りにいない。ほんとにいなかった。

それなら自分で仲間を募るサービスをつくろうと、ネット上のピア(仲間)サポートサービス「キャンサーペアレンツ~こどもをもつがん患者でつながろう~」を、2016年4月に立ち上げました。

こどももいて、地元には親もいる。仕事やお金…… 心配は尽きません。 そんな僕みたいな働き盛り世代で、がんと闘う人たちをサポートしたい。そんな思いから、抗がん剤による治療、副作用と付き合いながら、仕事と並行して、地道に活動を続けています。

キャンサーペアレンツのFacebookページで活動情報をアップしていきますので、「いいね!」をお願いします。

取材記事:36歳の末期がん患者が、娘に残すために始めた「最後の仕事」

*****************

膵臓がんのナオさん。

2015年6月にがん告知を受け、手術や抗がん剤治療を経験。2016年に再発し、抗がん剤、放射線など様々な治療を行うものの、現在は無治療で生活。小学校一年生の息子さんと旦那さんの三人暮らし。

ナオさんがキャンサーペアレンツに登録したのは、2016年9月。

発信するのは苦手とのことで、キャンサーペアレンツに登録するまではブログや日記などを書いたこともなく。そんなナオさんの日記を、ご本人の了承のもと、これから一つずつご紹介をさせていただきます。

第1話「はじめまして」コチラから

第2話「思い出の屋上」コチラから

第3話「旅行の効果」コチラから

第4話「息子の運動会に、思うこと」コチラから

第5話「放射線治療(一旦)終了」コチラから

第6話「角膜提供の話」コチラから

第7話「医療用麻薬、開始」コチラから

第8話「医療用麻薬、開始 その2」コチラから

第9話「生かされている、私」コチラから

第10話「今年の目標はただひとつ」コチラから

第11話「食欲の出し方」コチラから

第12話「がんになって、生きてる意味がわかった」コチラから

第13話「死ぬときは前のめり」コチラから

第14話「副作用と、生きること」コチラから

第15話「決断、死ぬまで生きる」コチラから

第16話「感謝/息子とがんの母」コチラから

第17話「がんを笑った息子」コチラから

第18話「36歳の終活」コチラから

第19話「死別と再婚」コチラから

第20話ホスピスは最期を迎えるための場所ではない?」コチラから

第21話死を待つ生活を送ること」コチラから

第22話普通の日記が書けない」コチラから

※キャンサーペアレンツは、子育て世代・就労世代のがん患者のコミュニティであり、様々な社会的な接点の中で生きています。こども、家族、仕事、地域、普段の生活、将来への不安。がん患者への偏見や誤解など、まだまだ「がんと生きる」ということに対する理解が乏しいというのが実態です。キャンサーペアレンツでは、ここに集う方々の意見を『声』として広く世の中に発信し、がんに対する理解を広げ、がんになっても生きていきやすい社会を実現すべく活動を行っています。

■投稿日

2017年11月10日(金)

■タイトル

生きる力はどこからやってくる?

■本文

すっかり、秋ですね〜。

抗がん剤を止めてから、もうすぐ半年が経ちます。

こうして生きて、家族と過ごせていることに感謝です……!

相変わらず転移せず、腹部のリンパ節だけで大きくなっていく腫瘍。

私のがんはあまり散らばるタイプではないようです。

少しずつ腫瘍が大きくなってきて、周囲の臓器が押され、胃が詰まり、身体に不具合が生じてきています。

腫瘍は私の握りこぶしほどもあるそうです。

だんだん、ひとりでできないことが増えてきました。

痛みやしんどさでベッドにいる時間も長くなってきました。

嘔吐がひどいときは病院に行けないので、普段の病院に加えて訪問医の先生にもお世話になり始めました。

体重が36キロになりました。頑張って食べても増えません。

悪液質ってこれのこと?

ザ・末期癌。って感じですね。

進行するペースが緩やかなのが、唯一の救いです。

体調のいいときは夫に買い物に連れて行ってもらったりしています。

地毛で生活できるようになり、これが本当に嬉しい!らくちん!

もうあまり人と会う約束などは入れず、おうちで家族とゆっくり時間を過ごしています。

今月の息子の誕生日プレゼントにニンテンドースイッチを入手したので、私もそれで一緒に遊ぶのを楽しみにしています!

そんな近況。

***

先日は久しぶりに、キャンサーペアレンツの京都オフ会でした!

本当は先月に予定していたのですが、私の体調が悪かったのに合わせて延期していただいていたオフ会。

今回は無事!参加できました!

お洒落なお店でランチの後は、平安神宮を少しお散歩して。

がんの話ばかりするわけじゃないんですが、やはりがん経験者の皆さんと一緒にいるとホッとするというか、気が楽です。

京都会も最初はそういう「患者会」的な集まりだと認識していたのですが、今は普通に仲良しのお友達や先輩方とご一緒させてもらう、といった感覚です。

「元気そうやん」と言ってもらえて嬉しかったです!笑

この京都オフ会もそうなのですが

最近、自分は『寿命を周りの人に延ばしてもらいながら生きている』と感じます。

春には残り二、三ヶ月かもしれないと言われた余命。

それが今、少しずつ悪化してはいるものの、半年以上生きることができています。

再発したスピードを考えると、私の癌は決して進行は遅くなかったはずです。

膵臓がん、しかも腺がんですから、悪性度も高いです。

では今、何が私を生かしてくれているのだろう?

ある日の病院での出来事。

胃の狭窄から数日間嘔吐が続き、血液検査の結果、脱水がひどいとのことで、点滴室で点滴をしてもらうことになりました。

診察の時間が遅かったので、点滴が終わる頃にはすっかり日も暮れ、点滴室も外来も無人。

ひとりぽつんとベッドに横になっていると、「もう終わりそう?」と外来のベテラン看護師さんが様子を見に来てくれました。

あと10分くらいかな、ということで、「患者さん、あとナオちゃんだけだから休憩していこーっと」と、看護師さんもベッド脇の椅子に腰掛け、他愛もないお喋りをしていました。

すると、急に看護師さんが私の顔をじっと見て、「奇跡ってないのかな……?」と言い、ぽろぽろ涙をこぼしました。

「ナオちゃんの癌が消えて無くなったらいいのに」と。

私も気づいたらぽろぽろ泣いていました。

ただただ、言葉もなくふたりで泣きました。

家族でもない、古くからの友人でもない、仕事で私と接しているだけだと思っていた人が、私の癌が治ることを祈ってくれている……。

プロとしては賛否両論ある行動なのかもしれませんが、看護師さんの涙に、私は生きる力をもらいました。強い力を。

ふたりで鼻をかんで、泣き笑いで針を抜いてもらい、外来に戻りました。

診察室では仕事をしながら主治医が待っていてくれました。

電気の消えた待合に患者さんは誰もいないのに。

脱水の点滴しただけやから、診察しなくても大丈夫なのに。

抗がん剤やってない、手術の予定もない、治る見込みは全くない、医者として診る価値のない患者である私を、最後まで待っていてくれる先生。

治療中は民間療法に否定的だったこの主治医が、私に「身体を温めると免疫力が上がるから、お腹にカイロ貼ったりするといいかも」と真剣な顔で言い出したときは、笑ってしまいました。

神経への浸潤で下痢が酷く、どの薬も効かなかったときは、ヨーグルトで腸内環境が改善するという新聞の情報を教えてくれたり。

神経への浸潤と腸内環境とは関係ないのでは…と思ったのですが、本当にそれで下痢がおさまって、盛り上がったり。笑

治療のない私に、まだ何かをしてあげようと思ってくれているのです。

少しでも長く生きられるように。

西洋医学の領域を少しくらい外れても。笑

あ、また寿命を延ばしてもらった、と思いました。

家族や友人の圧倒的に強い支え。

私を必要としてくれる気持ち。

この人たちのために生きなきゃ!という責任感。

それがなければ、生きる力は絶対に湧いてきません。

でもそれだけじゃないんだ、と思いました。

私が死んでも直接的には困らない。

けれど一日でも長く生きてほしい、と言ってくれる人たち。

その人たちの気持ちを受け取るたび、一緒に笑いあうたび、本当に寿命が延びているような気がするのです。

先日、別の看護師さんに、「今日一日を無事に過ごすことだけを考えて。明日のことは明日が来てから考えよう」と言われ、初心に帰りました。

ベッドで子供の寝顔を見ながら、今日も無事に生きられた!ありがとう、と感謝して。

朝起きたら、ベランダに出て深呼吸しながら山を見て、無事に朝を迎えられました、ありがとうとまた感謝して。

そのときの準備はできる限りしつつ、あまり深いことは考えないように。

とにかくそれをできる限り、淡々と、続けていこうと思っています!

読みにくいうえ、長文で、すみません。

みなさんの日記からも、生きる力をたくさんたくさんいただいています!

——

■「いいね!」の数:115

■「コメント」の数:32

(第24話へつづく)

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Source: ハフィントンポスト

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著者紹介 著者一覧

genki

genki

 小学校元教諭。6年間、教壇に立つが日々追われる実務、長引く会議、閉塞的な職場に、次第に心が疲弊していく。やがてブラックな職場で自殺願望すら生まれ、このままでは死ぬ前に後悔する人生になってしまうと思い退職を決意。小学校の先生を辞め、自力で稼ぐと決断する。
 そして、幸運な事にビジネスの権威と出会う機会に恵まれ、直接指導を受ける機会を得る。この決断がたった1つの奇跡的な出会いを引き寄せ、その後は師に教わったビジネスノウハウをひたすら実行し続け会社の発展に至る。
 会社設立から3年後、デンマークで最高峰の働き方が実施されている企業を現地視察。管理職、社員が共に幸せになれる8つのエッセンスを欧州より持ち帰り、自身の会社を通して日本中に広めようと奮闘中。
 埼玉県さいたま市出身。既婚。早く子供が欲しく妊活真っ最中の1983年5月生まれ。趣味は空手、柔術、ウクレレ、食べること、バターコーヒー。好きな言葉は下座達観。

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