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1月8日、「新成人の集い」で悩み多き私自身を語った。

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世田谷区では8100人が新成人となりました。2018年1月8日、1200人入るホールで3回、「世田谷区・新成人の集い」が開催されました。新成人に向けて、こんな挨拶をしました。私自身の20歳だった頃の話です。次のような内容でした。

新成人の皆さん。

区長の保坂展人です。本日は、まことにおめでとうございます。

私が皆さんと同じ20歳だった頃の話をします。

皆さんは、これからの人生をどう歩むか、自分の進路を決めているでしょうか。だいたいの方向は決まっているという人や、まだイメージも絞りきれていないという人等、さまざまだと思います。

私は、まったく先の見えない暗いトンネルの中にいて、五里霧中のような状態でした。自分がこれからどこに向かっていくのか、何のために生まれて、何をめざして生きるのか、何ひとつ確信が持てない日々でした。

「つながっている」という言葉がよく使われます。私も好きな言葉のひとつです。でも、当時は「自分はたったひとりであり、社会から切り離された孤独な存在だ」と感じました。

「つながっている」とは反対の「つながっていない」という心の状態です。

もうひとつは、「自分は世の中のことを何ひとつ知らないちっぽけな存在じゃないか」という気づきでした。確かに子どもの頃から比べれば、身体も成長して大人になった。やれることは、はるかに多くくなった。でも、どんな仕事をしても初心者であり、「自分が得意で専門とするのはこれだ」ということは何もないことに気づきました。

正直に言ってショックでした。子どもの頃の私は、学校でも多くの友だちに恵まれ、たくさんの本を読んでいて、先生からも一目置かれるような生徒でした。子どもらしいまっすぐな「どこにでも行ける」「何にでもなれる」という万能感=根拠なき自信がありました。

でも、そんな自信は表面的なものにすぎず、本当の人間としての力ではない。持っている知識も、どこかから借りてきたもので本当に自分が生み出したものではない…自分はそんな中途半端な存在だ…ということが判ったのが10代後半から20歳にかけてです。

私は、大学ノートとボールペンを持って、街の喫茶店で、図書館で、自分に向かい合いました。それは日記や記録ではなくて、「自分だけの言葉を、オリジナルに書いてみよう」という思考訓練、文章を組み立てることの訓練でした。

1時間で大学ノート3行、4行書いては、その先が途切れる。それでも、あきらめることなく自分の文章を組み立てようと悪戦苦闘しました。はたから見れば、誰に頼まれたわけでもなく、一日に何時間も孤独な時間を過ごしている風変わりな若者だっただろうと思います。

毎日、毎日、ノートを前に粘り、行きつ戻りつする思考を積み重ねていくことで「壁」はある日、破れます 暗かったトンネルに出口の薄日が差し込んでくると、もう出口です。「私自身の文章」をつくろうとトレーニングした大学ノートが10冊近くになった時に、スーッと楽になりました。

21歳の時に、チャンスがやってきました。沖縄出身のロックミュージシャン喜納昌吉さんのドキュメンタリーを当時の若者が読んでいた雑誌「宝島」に一挙に「100ページ特集」を書いてくれという依頼でした。

3カ月間、沖縄で取材を続け、東京に戻ってきてたった1週間で書き上げました。自分でも驚くぐらいに、あんなに書けなかった文章が、次から次へと湧きだしてきました。

それ以来、私はジャーナリストになりました。とくに、私の20代半ばから30代にいたる10数年間は、中学生・高校生の読んでいる雑誌で、人気のある連載をして私のつくった言葉の「元気印」は、一挙に流行語になりました。

学校で起きた事件やいじめ問題等、中学生・高校生にとって身近かなテーマを取り上げ、この時期の私は同世代以上の大人と話すよりも、中学生・高校生と話していることの方が多かったと思います。

私が大学ノートとボールペンを使って過ごしていた孤独の時間は、作家やジャーナリストになるための訓練ではありませんでした。真っ暗なトンネルを、手さぐりで探って進むような日々でした。でも、この時に「つながっていない」状態、「ひとりで世界に向き合う」思考訓練は、物書きのプロとして仕事を続ける土台になったし、皆さんが生まれた頃、私が40歳の時に国会議員、つまり政治家になって未知の扉を開けていく力にもなったと思っています。

「ひとりであること」「孤独であること」をよく知っていれば、「つながっている」ことの楽しさやありがたさを更に感じることになります。

今日、こんな話をしようと思ったのは、一冊の本に刺激されてのことです。最近、80年前に書かれた『君たちはどう生きるか』という漫画と本がベストセラーになっています。100万部売れているそうですから、本屋さんの目立つ所にあるはずです。

吉野源三郎という人が80年前に書いた本の漫画を、私も読んでみました。コペル君と呼ばれる主人公の少年の生きることの苦しさ、失敗、後悔、そして再挑戦をおじさんとの対話という形で深めています。皆さんにも「つながっていない時間」を大切にして、読んでみてほしいと思います。

人生、山あり、谷ありです。うまく行っている時は表面的なつきあいでかまわないけど、ピンチにさらされた時に本音で相談できる、黙って話だけでも聞いてくれる友人がいるのかいないのかで随分違います。深く「つながっている」友人は、最高の財産です。

新成人の日の私からの一言です。もう一度言います。

おめでとうございます。

(2018年1月8日世田谷区民会館ホール・保坂展人)

Source: ハフィントンポスト

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著者紹介 著者一覧

genki

genki

 小学校元教諭。6年間、教壇に立つが日々追われる実務、長引く会議、閉塞的な職場に、次第に心が疲弊していく。やがてブラックな職場で自殺願望すら生まれ、このままでは死ぬ前に後悔する人生になってしまうと思い退職を決意。小学校の先生を辞め、自力で稼ぐと決断する。
 そして、幸運な事にビジネスの権威と出会う機会に恵まれ、直接指導を受ける機会を得る。この決断がたった1つの奇跡的な出会いを引き寄せ、その後は師に教わったビジネスノウハウをひたすら実行し続け会社の発展に至る。
 会社設立から3年後、デンマークで最高峰の働き方が実施されている企業を現地視察。管理職、社員が共に幸せになれる8つのエッセンスを欧州より持ち帰り、自身の会社を通して日本中に広めようと奮闘中。
 埼玉県さいたま市出身。既婚。早く子供が欲しく妊活真っ最中の1983年5月生まれ。趣味は空手、柔術、ウクレレ、食べること、バターコーヒー。好きな言葉は下座達観。

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