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フレキ基板でイノベーション、エレファンテック(旧AgIC)が産革や大和から総額5億円を資金調達

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家庭用プリンターで電子回路を「印字」するプロダクトを引っさげてTechCrunch Tokyo 2014のスタートアップバトルで優勝したエレファンテック(旧AgIC)が、より産業用へと軸足をずらして「フレキシブル基板」と呼ばれる領域で勝負をかけている。数日前にAgICからエレファンテックに社名を変更したばかりの同社は今日、産業革新機構をリードインベスターとし、大和企業投資、Beyond Next Venturesの3社から総額5億円の資金調達を行ったと発表した。VCからの調達ラウンドは2016年2月に続いて2度めで、これまで累計8億4000万円(うち国からの助成金や借入が約1億円)の資金を調達している。

エレファンテックが3年にわたって取り組んできたのは、電子回路を印刷により製造する「プリンテッド・エレクトロニクス」という分野。ハードウェア分解癖のある女子なら良く知っているだろうが、パソコンやデジカメを分解すると、必ずフィルム状のペナペナの基板が使われているのを発見することになる。固い樹脂製の基板に比べて厚さが10分の1程度と薄く、曲面にするなど取り回しがしやすいメリットがある。

エレファンテック創業者で代表取締役の清水信哉氏によれば、これまでフレキシブル基板は、特殊な部品だった。「従来はケータイのヒンジなど曲る部分にしか使わないというのが一般的でした。ところが今は軽量化のためにフレキシブル基板を使うケースが増えています」(清水氏)。軽量化のために最近のデジカメ製品などは中はほとんどフレキシブル基板がベースになっているそうだ。

コスト削減のためにフレキシブル基板を使うシーンも増えているという。部品点数の削減により、むしろコスト削減に繋がるからだ。たとえば自動車の方向指示器ではLEDに対して制御回路を搭載する基板とコネクターやケーブルが接続されているが、これをフレキシブル基板でやると、数点必要だった部品を「基板兼ケーブル」として1点で設計することができる。

エレファンテックが対象とする産業機器で多いのは、1つは1000〜3000台程度の専門性の高い機器類。例えば医療機器や食品の加工機などがエレファンテック顧客の製品だ。ロット数が少なく、多品種少量生産。後から機能追加のあるような機器でフレキシブル基板は生きてくるという。

開発の設計変更が多く発生するケースでも、短納期であるメリットが生きるため、PoCなど試作段階で使われることも増えているそう。「自動車メーカーなんかだと、PoCの段階で使っていただいています。新しく機能を付けたいというときに、いちいち型を作ると大変なんです。フレキシブル基板なら非常に安く、多くの試作ができます」(清水氏)

エレファンテックのイノベーションは「ピュアアディティブ法」と呼ぶ無電解銅メッキの新手法「P-Flex」にあるという。P-Flexの回路はフィルム上に吹き付けたナノ銀によるパターンに対して、銅メッキを成長させることで作る。回路というのは閉じたループもあるので、電気を流す「電気メッキ技術」は使えない。そこで電気を流さない無電解メッキという方法を使う。問題は無電解メッキはメッキ層の成長に時間がかかること。

銅メッキの溶液には銅イオンのほかに還元剤が入っていて、その濃度などで速度を調整するそうだが、成長を速めようとすると、ナノ銀がない場所(回路じゃないところ)にまで銅が析出してしまって精度が落ちるというトレードオフがある。これまではメッキ職人がこのプロセスの最適化を行っていたが、エレファンテックではここを現代的なフィードバック機構がある制御システムで最適化。反応速度が速くなりすぎたら妨害物質を入れたすることで、既存の10倍速のメッキシステムを開発したという。

「獺祭(だっさい)という日本酒と似ています。清酒づくりというのは昔は杜氏がいて職人が作っていた。それを科学的に分析してやったのが獺祭ですよね。メッキも同じで職人さんがいるのですが、われわれは現代の技術を使って、これまであり得なかった速度に速めたのです」(清水氏)

P-Flexは、印刷、インク、フィルム表面、メッキの制御などの複合的な技術によって成り立っていて、ナノ銀を密着させるためのフィルムで特許を取っているほかは独自技術。ここはブラックボックスのまま自分たちで持ち続けるという。

今後は両面基板や高精細化に取り組む。現在P-Flexでは最小線幅は200ミクロンだが、一般的な回路工場の100ミクロン程度にまで縮める。エレファンテックは製造技術周りのエンジニアを中心に、現在16人のチームとなっていて、新たに営業組織を立ち上げる。また東京・蔵前に自社工場を建設する。フレキシブル基板市場は年率10%以上で成長を続け、2022年にはグローバルで3.1兆円市場になると見ているという。

Source: テッククランチ

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Ken Nishimura

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